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死亡届は誰が出すのか。頼んだ相手が出せるとは限りません

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死亡届に名前を書ける人は、法律で決まっています。

同居していた方、同居していない親族、亡くなった場所の建物を貸していた人や管理していた人、 家庭裁判所が付けた後見人か、自分で結んだ任意後見の相手。 この中の誰かが署名します。

自分が亡くなったあとの手続きを誰かに頼んでいても、それだけでは当てはまりません。

死亡届を、断れる人と断れない人がいます

戸籍法という法律に、死亡届を出す人の一覧があります。 断れない人と、断れる人に分かれています。

断れないのは3つ。同居していた親族、親族ではないが同居していた方、 そして亡くなった場所の家主・地主・家屋や土地の管理人です。 家主は部屋を貸している方、家屋の管理人は、その建物の管理を任されている方です。 市区町村から言われたら断れません。

断れるのは、同居していない親族と、家庭裁判所が付けた後見人・保佐人・補助人、 それに自分で結んだ任意後見の相手です。 任意後見の相手は、後見が始まる前の「任意後見受任者」の段階でも署名できます。

何十年も会っていない兄弟に連絡がついても、嫌だと言われれば、 署名する人がいなくなり、市区町村が別の親族を探すところからやり直しになります。 断れる方しか当てにできない場合は、署名をお願いする紙をあらかじめ渡して、返事をもらっておきます。

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「死亡後の手続きなどは誰がやってくれるのかわからずに不安。」
愛知県・60代・男性

期限は、署名する方が、亡くなったことを知った日から7日以内です。 出す先は、亡くなった方の本籍地、亡くなった場所、署名した方の住所地のどこでも出せます。 遠方で亡くなっても、署名した方の住所地で出せます。

届書は、病院で亡くなれば病院から、自宅で亡くなって警察が入れば警察から渡されます。 受け取りに行くのは遺体を引き取る方で、引き取る方がいなければ市区町村が受け取ります。

亡くなったあとの手続きを頼んだ相手は、死亡届を出せません

亡くなったあとの手続きを頼む契約を、死後事務委任契約といいます。 葬儀の手配も、納骨も、部屋の片づけも、携帯電話の解約も、この契約で頼めます。死亡届だけは、この契約では頼めません。

頼まれた人が、戸籍法の一覧に入っていないからです。 契約で何を引き受けたかとは別に、届書に署名する資格が決まっています。

亡くなったあとの手続きを頼んだ相手から、死亡届に署名できる人の枠へ向かって伸びた矢印が、枠の手前で止まっている図。枠の中は、戸籍法で決まった人だけ。契約で葬儀も納骨も頼めるが、署名だけは届かない。

内閣官房が出した「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」にも、そう書かれています。 任意後見人でも任意後見受任者でもない会社は死亡届を出せないので、 相続人がいる場合はその方に連絡すること、という中身です。 死後の事務を引き受けている会社に確かめるときは、 この案内の名前を出せば、相手も知っているので、話が早く済みます。

相続人がいなければ、連絡する先もありません。 誰が相続人になるかは、市区町村が戸籍をたどって調べます。 配偶者と子がいなければ親、親もいなければ兄弟姉妹、という順です。

頼んだ相手に、死亡届も出せるようにする方法が1つあります。任意後見契約を、一緒に結んでおくことです。任意後見の相手は、戸籍法の一覧に入っています。

任意後見は、判断ができなくなったときに備えて、契約だけ先にしておくものなので、 元気なまま亡くなっても、その相手が死亡届を出せます。 契約を結んだ時点で、届書に署名できる方が1人決まります。

契約が2本になるので、そのぶん払う額は増えます。 任意後見の契約書だけなら5万円から15万円で、多いのは10万円ほどです。 死後事務の契約書は3万円から33万円。これに公証役場へ払う分が2万円ほど加わります。 合わせると10万円から50万円で、多いのは20万円あたりです。

亡くなったあとに動いてもらう分は80万円あたりで、ぜんぶで100万円あたりになります。 幅で見ると、65万円から160万円です。 動いてもらう分の中身と、頼める相手は死後事務委任契約とはにまとめています。

住んでいるところで、出せる人が変わります

「断れない人」の3つ目は、亡くなった場所の家主・地主・家屋や土地の管理人です。 どこで亡くなるかで、この人がいたりいなかったりします。

亡くなった場所断れない人
病院その病院
介護施設施設長(断られることが多い)
賃貸の部屋家主か管理会社(断られることがある)
持ち家いません

病院で亡くなる場合は、市区町村が署名する人を探すことになりません。 公立でも私立でも、その病院が出します。

つまずくのは、介護施設と賃貸です。 戸籍法では、施設長や家主が断れない人にあたります。 それでも実際には断られます。 入居者や借りている方の名前と住所を、自分の名前で市区町村役場に届けることになるためです。 決まってはいても、断った人に署名させる手立てがありません。 断られると、市区町村が親族を探すところから始まります。

自分の持ち家で亡くなると、建物を貸していた人も、管理していた人もいません。 持ち家でひとり暮らしをしていて、突然亡くなった場合が、いちばん難しくなります。 後見の契約もなく、頼んである親族もいなければ、 断れない人も、断れる人も、一人もいない状態になります。

賃貸には家主がいますが、断られることがあるので、当てにはできません。

出す人がいないと、火葬までの日数が延びます

火葬そのものは行われます。引き取る方がいなければ、亡くなった場所の市区町村が火葬します。 遺骨も市区町村が預かります。 署名する人が決まらないと、火葬までの日数が延びます。 死亡届を出すと火葬許可証が渡され、これがないと火葬場は受け付けないためです。

署名する人が見つからないとき、まず市区町村が戸籍をたどって親族を探します。 同居していない親族は断れる人なので、見つかっても、 引き受けるかどうかはその方が決めます。 長く行き来がなくても、引き受けてもらえることもあります。

探しても見つからないか、見つかっても断られた場合は、 市区町村長が職権で戸籍の記載を消す手続きに移ります。 この手続きには法務局の許可が要ります。

市区町村が動き始めてから火葬までは、3日から4日がいちばん多く、1週間以内が半分をこえます。 ただし2週間より長くかかるところもあり、 1か月を超えた例のある市区町村が、6つに1つほどあります。

これは市区町村が動き始めてからの日数です。 誰かが気づくまでの日数も、火葬までの日数に足されます。 気づいてもらう方法は孤独死を防ぐ見守りにまとめています。

待っているあいだの遺体は、亡くなった原因を調べ終わるまで警察が預かります。 そのあとは、市区町村が頼んだ葬儀社か、火葬場で預かられます。 預かる日数が延びれば、そのぶんの代金もかかります。 引き取り手のない遺骨がそのあとどうなるかは無縁仏とはで読めます。

署名する人を決めておけば、市区町村が親族を探すことになりません。 市区町村役場が開いている時間に出せば、その場で火葬許可証が渡され、 火葬場の予約もそこから進みます。

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「今、生活保護で市のお世話になっているが、死後も市が後処理をやってくれるのでしょうか?」
愛知県・60代・男性

契約にお金をかけられない場合は、同居していない親族に、死亡届の署名だけを頼んでおく方法があります。 これにお金はかかりません。

頼む相手がいない場合でも、火葬は行われます。 火葬にかかった分は、まず亡くなった方の預金や現金から充てられます。 それで足りなければ親族に請求が行き、親族もいなければ市区町村が負担します。 ただし、部屋の片づけまでは市区町村がしません。 持ち物は市区町村が預かって、親族に引き取りを頼みます。 引き取る親族もいなければ、市区町村が預かったままになります。

夜間や休日でも、届書を預かる窓口があります。受け取った日で受理されます。 ただし火葬許可証をその場で渡すかどうかは、市区町村で違います。 翌日に休日の窓口で渡すところもあれば、次に開いた日まで待つところもあります。

死亡届に署名する人を決めている場合と決めていない場合で、火葬までの日数を横棒の長さで比べた図。決めてあれば、いちばん早くて翌日の1日。決めていないと、市区町村が動き始めてから3日から4日がいちばん多い。1か月を超えた例のある市区町村も、6つに1つほどある。決めていないと、あいだに市区町村の親族探しと、法務局の許可が入る。亡くなってから24時間は火葬できないので、最短が翌日になる。

自分のときに誰が出すかを、いま決めておけます

決め方は2つです。

親族に頼む場合は、承知してもらえているかどうかがすべてです。 その日になって断られると、署名できる方がいなくなります。 署名をお願いする紙には、自分の名前と本籍を添えます。届書に本籍を書く欄があるためです。

頼む相手がいない場合は、任意後見契約のほうになります。 亡くなったあとの手続きを頼む契約とセットで受けているところが多いので、 見積もりを頼むときに、2本にしたときの額を一緒に聞いてみてください。 任意後見契約は公証役場で作ります。中身と、かかる額は認知症で口座が凍結される前ににまとめています。

聞く先は3か所です。相談したことのある事務所があれば、そこに聞いてみるのがいちばん早いです。 次に、弁護士会・司法書士会・行政書士会は都道府県ごとにあるので、 自分の県の会に聞くと、死後の事務を扱っている事務所を教えてもらえます。 もう1つが、死後の事務を引き受けている会社です。見分け方は保証人代行と身元保証会社にまとめています。

すでに死後事務委任契約を結んでいる方は、 その契約書に任意後見が入っているかどうかを見てみてください。 入っていなければ、死亡届に署名するのは別の方です。 頼む先に「死亡届は誰が出すことになりますか」と聞けば、その返事で分かります。

署名する人を1人決めておけば、あとはその方が出してくれます。

火葬だけで送る分は10万円から27万円ほど、多いのは15万円ほどです。 中身は直葬の費用にまとめています。 入院していて亡くなった場合、残った入院費は相続人が払います。 入院申込書の連帯保証人の欄に名前を書いた方がいれば、その方にも請求が行きます。 欄に誰の名前を書くかは入院の保証人がいないに、お墓と葬儀ぜんたいのことは葬儀とお墓にあります。

よく聞かれること

葬儀社が死亡届を出してくれると聞きましたが

葬儀社がするのは、届書を市区町村役場へ持って行くところです。持って行く人は届出人でなくてかまわないので、そこを引き受けています。ただし署名は、法律で決まっている方がします。葬儀社の名前で署名することはできません。葬儀社のプランにある「手続き代行」は、持参と火葬場の予約までを指します。

遠くに住んでいる親族に、頼んでおけば大丈夫ですか

その日になって断ることができる立場なので、返事をもらっておいてください。返事がないまま当日を迎えると、市区町村が別の方を探すことになります。断られたときのために、もう1人に頼んでおくこともできます。

任意後見契約を結ぶと、すぐに財産を預けることになりますか

なりません。任意後見は、判断ができなくなったときに家庭裁判所へ申し立てて、そこから始まります。それまでは契約を結んだだけの状態で、お金の管理は自分でします。

介護施設に入るときに、聞いておくことはありますか

「亡くなったとき、死亡届はどうなりますか」と聞いておくと、その介護施設の決め方が分かります。施設長に頼まないで済ませたい場合は、入るまでに任意後見契約を結んでおきます。任意後見契約の契約書の写しを、その介護施設に預けておくと、そのときに探されずに済みます。

死亡届を出すと、年金や保険の手続きもされますか

年金は、市区町村へ死亡届が出ていれば、年金を受け取る権利がなくなったことを知らせる届出を省けます。マイナンバーが登録されている場合の扱いです。登録されていなければ、年金事務所への届出が別に要ります。出すのは、死後事務を引き受けた方か、親族です。医療保険も別です。保険証を返す手続きが入っている死後事務委任契約が多いので、入っているかを確かめてみてください。頼んでいなければ、親族が返します。銀行の口座は、死亡届を出しても、そのままです。銀行が亡くなったことを知った時点で、引き出しも振込もできなくなります。

期限の7日を過ぎると、どうなりますか

受け付けてもらえます。ただし断れない人が正当な理由なく遅れた場合は、5万円以下の過料を求められることがあります。頼んである親族は断れる人なので、遅れても過料はありません。7日は、亡くなった日ではなく、亡くなったことを知った日から数えます。国外で亡くなったときは3か月以内です。