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おひとりさまの葬儀と、継ぐ人がいないお墓

2026年8月17日時点の情報です。

親を送ったあとに残るのが、この2つです。順番としては、いまある墓をどうするかが先で、自分が入る先はそのあとになります。どちらも、生きているうちに決めておけます。

放っておいた墓は、寺や霊園の費用で撤去されます

自分が亡くなったあと、その墓を見る人はいなくなります。すぐに撤去されるわけではありません。誰も来ないまま何年も、草の伸びた状態で置かれます。最後は寺や霊園が自腹で墓石を撤去し、中の遺骨はほかの方の遺骨と一緒に埋葬されます。

先祖の墓の始末も、かかる費用も、寺や霊園が引き受けることになります。お墓を放置することはご先祖様に対しても大変失礼なことですので、自分の代でお墓を整理する「墓じまい」をされる方が増えています。

墓じまいは、遺骨を移して墓石を撤去することです

中の遺骨を取り出し、墓石を撤去して、更地にして寺や霊園に返します。取り出した遺骨は、永代供養墓に移すか、散骨します。何体分かをまとめて頼めます。いまの墓地から出して別の場所へ移すには、市区町村の改葬許可が要ります。

20万〜50万円になることが多いところです。墓石の撤去、寺や霊園への支払い、移す先の費用が入ります。石の大きさ、墓地までの道の広さ、寺との付き合いの長さで変わります。

墓じまいの手順といくらかかるかは、墓じまいパートナーズ(当サイトと同じ会社が運営しています)にまとめてあります。

自分が入る先は、永代供養か散骨になります

継ぐ人がいる前提の墓は選べません。道は2つで、寺や霊園に納めるか、納めないかです。

どちらも、生きているうちに申し込んで払っておけます。ただし、亡くなったあとに遺骨を持ち込む人は別に要ります。そこは死後事務委任契約であわせて頼みます。

永代供養 ── 継ぐ人の代わりに、寺や霊園が供養と管理をします

継ぐ人が要らない納め方です。申し込みのときに一括で払って、あとの管理料はかかりません。そこが普通の墓と違います。納める場所によって3つの形があります。

納める場所かかるお金
永代供養墓石の墓5万〜30万円
樹木葬木や草花の下5万〜150万円
納骨堂建物の中の棚25万〜100万円

永代供養墓は寺や霊園が建てた石の墓、納骨堂は建物の中の棚や仏壇です。

ただ、値段を決めているのは形ではありません。自分の遺骨を、ひとりで置いておく期間です。ほかの方の遺骨と一緒にすることを合祀といいます。最初から合祀にすれば安く、十三回忌まで、三十三回忌までとひとりで置く期間を取ると、その分だけ上がります。期間が過ぎたら合祀に移ります。

どの形でも同じです。樹木葬にも最初から合祀の型がありますし、納骨堂も期間が過ぎれば合祀になります。永久にひとりのまま、というものはほとんどありません。

申し込む前に確かめること

1

ひとりで置く期間は何年か

最初から合祀か、十三回忌までか、三十三回忌までか。ここが値段の差です。

2

期間が過ぎたあと、遺骨はどうなるか

同じ敷地の合祀墓に移すのが普通ですが、移し方と場所を聞いておきます。

3

生前に申し込めるか、いくら払うか

継ぐ人がいない方のための形なので、生前の申し込みを受けているところが多くあります。

散骨 ── 遺骨を粉にして海にまきます

納める場所を持たないので、管理料も、合祀の話も出てきません。船に乗らずに散骨業者へ託す形が4万〜10万円、ほかのご家族と一緒に船に乗る形が15万〜25万円、船を1隻借りる形が25万〜40万円です。託す場合も、まいた日時と海域を書いた証明書が届きます。

生前の申し込みを受けている散骨業者もあります。いくらかかるか、どこに頼むかは、散骨の窓口(当サイトと同じ会社が運営しています)にまとめてあります。

すでに入る墓が決まっている場合も、伝えておかないと入れません

夫や妻、家族がすでに入っている墓に自分も入りたい場合、放っておいて自動的にそうなることはありません。引き取る人がいなければ、市区町村が火葬したあと、遺骨はそのまま市区町村の納骨堂に入ります。要るものは2つです。

ひとつは、遺骨をそこまで持って行く人です。頼む人を決めていなければ、遺骨は市区町村に預けられたままになります。

もうひとつが、その墓を管理する寺や霊園の承諾です。墓地の管理者は、正当な理由がなければ納骨の求めを断れません。ただし多くの墓地には「使えるのは使用者とその親族」といった規則があり、その規則に自分が当てはまるかどうかが問われます。

生きているうちに、寺や霊園へ「自分が亡くなったらこの墓に入りたい。納骨を頼んである相手はこの人です」と伝えて、必要な書類を確かめておいてください。求められる書類や、納骨のときに誰が来ることになるのかは、墓地によって違います。墓を引き継ぐ人(名義になっている人)が決まっていない場合は、そこもあわせて相談してください。名義人がいなくなると、その墓自体が続けられなくなります。

葬儀は、頼む相手を決めておかないと火葬だけになります

頼む相手を決めていない場合、亡くなったことに気づいた市区町村が火葬までを行います。式は行われません。遺骨は市区町村が一定期間預かったあと、合葬されます。

式を行いたい場合は、亡くなったあとの手続きを頼む契約(死後事務委任契約)を結んで、葬儀の手配もそこに入れておきます。葬儀そのものは、火葬だけなら50万円ほど、身内だけの式で100万円ほど、通夜と告別式を行うと120万円ほどです。契約の中身と頼める相手は死後事務委任契約にまとめています。

永代供養墓の申し込みと一緒に、葬儀の生前契約を受けている寺や霊園もあります。まとめておくと、当日に動く先が1か所で済みます。

よく聞かれること

墓を継ぐ人は、自分で決められますか

決められます。墓は相続財産とは別に扱われ、遺言で指定しておくか、生前に本人どうしで決めておく形です。親族でなくても大丈夫です。ただし引き受ける側の承諾が要るので、名前を書いておけば済む話ではありません。決まらない場合は、家庭裁判所が決めることになります。

墓じまいのときに、寺から高額な離檀料を求められませんか

決まった額はなく、法律で払わなければならないものでもありません。実際には数万円から十数万円のお布施として渡す例が多いところです。金額でもめる場合があるので、先に相談してから進めてください。改葬の手続きに必要な埋葬証明書は、いまの墓地の管理者が出すものなので、関係を壊さずに進めるほうが早く済みます。

散骨は、勝手にやってよいのですか

禁じる法律はありませんが、まいてよい場所は限られます。海でも陸でも、自治体が条例で区域を定めていることがあります。粉にせずにまくと遺棄とみなされる恐れがあるので、粉骨は必ず行います。自分でまく場合も、この2つは同じです。

手元に遺骨を置いておいてもよいのですか

大丈夫です。自宅に置くことに許可は要りません。ただし自分が亡くなったあと、その遺骨を引き取る人が要ります。手元に置く分がある場合は、誰に渡すか、渡す相手がいなければどこに納めるかまで決めておいてください。

出典

  • ・墓地、埋葬等に関する法律 第5条・第9条・第13条
  • ・改葬件数のグラフ ── 墓じまいパートナーズ「改葬件数データ」(厚生労働省 衛生行政報告例)
  • ・民法 第897条(祭祀に関する権利の承継)
  • ・厚生労働省「散骨に関するガイドライン」(令和3年3月)と、自治体が定める散骨に関する条例
  • ・鎌倉新書「第7回 お葬式に関する全国調査」(2026年3月)
  • ・寺院・霊園が公開している永代供養墓・樹木葬・納骨堂の料金表と、散骨業者が公開している料金表