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直葬の費用と流れ。表示価格に足される火葬料金と安置代

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直葬は、通夜も告別式もせずに火葬だけをするやり方です。葬儀社が出している表示価格は、税込8万円台から17万円台。これは葬儀社に払うお金で、火葬場に払う火葬料金は入っていません。

安置は、火葬の日まで遺体を置いておく費用です。 入っていて2日分か3日分で、延びた分は1日22,000円から33,000円で足されます。

実際に用意するのは、住んでいる地域と火葬場の混み方で、8万円台から26万円台まで開きます。 いちばん軽いのは、火葬料金が0円の地域で、待たずに火葬できた場合です。

自分が死んだあとに直葬にしたいなら、亡くなったあとの手続きを頼む契約(死後事務委任契約)を、 弁護士や司法書士などと結んでおきます。 決めていないと、市区町村が火葬まで済ませます。そのときは葬儀社を選べません。

亡くなってから火葬までに、誰が何をするか

葬儀社に連絡する人と、骨を受け取る人。 お金をいくら用意しても、この2人の代わりにはなりません。

はじめに、亡くなったことに気づいた人が葬儀社に電話をかけます。 葬儀社が寝台車で来て、亡くなった場所から安置先へ遺体を運びます。

亡くなってから24時間は法律で火葬ができないので、 最短でも翌日までは、葬儀社の安置所か自宅に置きます。

そのあいだに、死亡届を市区町村へ出す人が要ります。 期限は、亡くなったことを知った日から7日以内です。 受け取った市区町村が火葬許可証を出します。 火葬許可証がないと、火葬場は遺体を受け付けません。

よりそう・東京博善・小さなお葬式の3社とも、 死亡届を市区町村へ持っていく代行がプランに入っています。 葬儀社がするのは、書いた紙を運ぶところまでです。 欄に名前を書くのは、次の12の立場の人になります。

頼れる家族がいない方に当てはまるのは、賃貸なら家主か家屋管理人、 任意後見契約を結んでいれば任意後見人です。 12を並べると、同居の親族、同居していない親族、同居者、家主、地主、家屋管理人、 土地管理人、公設所の長、後見人、保佐人、補助人、任意後見人になります。 亡くなったあとの手続きを頼んだだけの相手は、ここに入っていません。

持ち家にひとりで住んでいて、頼れる親族がいない方は、この12のどれにも当てはまりません。 任意後見契約を結んでおくと、任意後見人が届出人になれます。 結んでいないと、死亡届を出す人がいないまま、市区町村が動くのを待つことになります。

火葬場を押さえるのも葬儀社です。 プランに「手続き代行」と書いてあるのは、死亡届と火葬許可証、 それに火葬場の予約までを指します。

日にちがかかるのは、この予約のところです。 届出も許可証もその日のうちに済みますが、火葬場の空きだけは早められません。 安置の日数が延びるのは、ここで待つからです。

火葬の日が来たら、葬儀社が棺のまま火葬場へ運びます。式はありません。僧侶も呼びません。 火葬が終わると骨を拾い、骨壺に納めて渡されます。 受け取るのは、その場にいる人です。

自分で選んだ葬儀社で直葬にするには、誰かが電話をかける必要があります。 骨を受け取る人がいない場合も、火葬までは行われます。決まらないのは、そのあとの納め先です。

表示価格に火葬料金は入っていません

葬儀社は「火葬式」「直葬プラン」の名前で値段を出しています。 3社とも、その値段に火葬料金は含まれないと書いています。 火葬場に直接かかるお金で、亡くなったあとの手続きを頼まれた人がその場で納めます。

額が葬儀社の外にあるのは、火葬場を運営しているのが葬儀社ではないからです。 多くは市区町村が持っていて、都市部には民営の火葬場もあります。 葬儀社が引き受けているのは、その火葬場を予約して、当日に遺体を運び込むところまでです。

額は、市区町村が持っている火葬場なら安く、民営だと高くなります。横浜市営の斎場は市民12,000円、東京23区の民営の火葬場は87,000円です。市区町村が持っている火葬場には、その市の住民を無料にしているところもあります。 東京23区の区民葬という割引は、2026年3月末で終わっています。

住民かどうかで額が変わるのが、公営の火葬場の特徴です。 横浜市営なら市外の方は50,000円で、4倍以上になります。 判定は亡くなった方の住民票の住所です。

自分の住んでいるところの火葬場が市区町村のものか民営かは、 市区町村のホームページの斎場の案内に載っています。 載っていない場合は、市役所の生活衛生や環境の担当課で分かります。 「市内に住んでいる者の火葬料金はいくらですか」と聞けば、その場で額を教えてもらえます。 いま何日待ちかも同じところが答えるので、一度の電話で両方そろいます。

同じ「直葬」でも、含まれるものが葬儀社で違います

頼れる家族がいない人の実態調査2026 — 回答者の声

「医療費 葬式代などを聞いておきたいで。」
埼玉県・60代・男性

大手3社の火葬式プランを並べると、いちばん安いプランといちばん高いプランで2倍近く開きます。 その差は、値引きの多さではなく、入っているものの数です。

資料請求をすると3万円から5万円引く葬儀社があり、ここに出す額はその割引後です。 請求しない場合は、3万円から5万円高くなります。額はどれも税込です。

よりそう 83,600円東京博善 97,900円小さなお葬式 174,900円
安置2日分別料金3日分
ドライアイス2日分1日分3日分
骨壺ありなしあり
花なしなしあり
仏衣・枕飾り仏衣だけなし一式あり
安置の延長1日33,000円公表なし22,000円

「なし」は、その葬儀社の案内に書かれていないという意味です。 安置の「別料金」も、置かないのではなく、1日目から別に足されます。 東京博善は安置も延長の額も出していないので、この葬儀社だけは事前に総額が読めません。

ドライアイスは、遺体を冷やしておくために毎日入れ替えるもので、日数のぶん増えます。 仏衣は棺に納めるときに着せるもの、 枕飾りは、安置しているあいだ遺体のそばに置く線香とろうそくの一式です。 式をしなくても、棺に納めるまでのあいだに使います。

3社とも、火葬料金はこの表の外にあります。 表の額を払えば火葬まで済む、という意味ではありません。

遺体を運ぶ車も、距離と回数で分かれています。 安いほうは安置先までの10km・1回だけで、 火葬の日に安置先から火葬場へ運ぶ分は入っていません。 高いほうは20kmを2回、つまり火葬場まで運ぶ分まで入っています。

10kmを超えた分がいくらになるかは、どの葬儀社も出していません。 安置所の場所も葬儀社によって違うので、 「うちから安置所まで何kmで、超えた分はいくらですか」と聞いてみてください。

いちばん安いプランといちばん高いプランの差は91,300円です。 安いほうを選ぶと、骨壺と花、仏衣、それに安置の日数が別に足されます。

骨壺は、白い並のもので8,500円から13,500円、絵柄の入ったもので18,500円から33,500円です。 白い骨壺なら追加なしで付ける葬儀社もあります。 骨壺を足しても、91,300円には遠く届きません。 差の大きいところは、安置とドライアイスの日数です。 1日延びるごとに22,000円から33,000円が足されるので、 数日待つ地域なら、安いほうを選んだ91,300円の差は、そこで消えます。

どちらを選ぶかは、住んでいる地域の火葬場の混み方でも決まります。 すぐ空いて当日のうちに動く地域なら、安いプランで足ります。 待つ地域なら、安置の日数が多いプランのほうが、あとで足される分が少なくて済みます。

安置は2日か3日。火葬まで5日待つ地域もあります

火葬の日まで遺体をどこかに置いておくのが安置です。 置き場所は、葬儀社の安置所か自宅のどちらかです。 どちらでも額の決まり方は変わりません。 変わるのは日数で、火葬の日が遠いほど、ドライアイスと安置の代金が日割りで増えていきます。

プランに入っている「安置2日分」は、亡くなった日の翌日から数えて2日です。 3日目からは1日ごとに足されます。

都市部では、火葬まで5日ほど待つ地域があります。 横浜市が出している資料に、市が持っている斎場4か所の火葬待ち日数の平均が載っています。

横浜市が持っている斎場4か所の、火葬待ち日数の平均。2019年度4.49日、2020年度4.56日、2021年度5.49日、2022年度5.81日、2023年度4.92日。葬儀社のプランの安置は入っていても長くて3日で、5年ともはみ出している。超えた分は1日22,000円から33,000円。

2019年度から2023年度までの5年とも、平均で4.5日から5.8日かかっています。 いちばん新しい数字は2023年度のものです。 どの年も、プランに入っている日数では足りていません。 延びた分は1日いくらで足され、よりそうが33,000円、小さなお葬式が22,000円です。

安置2日分のプランで5日待つと、3日ぶんの99,000円が乗ります。待ち日数が延びたのは、亡くなる人が増えているのに火葬場が増えないためです。 年によって差はありますが、これからも数日は見ておいたほうが確かです。

実際に払う額は、3つを足して出します

葬儀社の表示価格、火葬場に払う火葬料金、安置が所定の日数を超えた分。 この3つを足したものが、用意しておく額です。 葬儀社に見積もりを頼んでも、出てくるのは1つ目だけです。 あとの2つは、住んでいるところと火葬場の混み方で決まるので、自分で足すことになります。

いちばん安いプラン(税込83,600円)で火葬まで5日待った場合、表示価格の外から足される額の比較。火葬料金が0円の地域でも安置3日ぶんの99,000円。横浜市の市民は火葬料金12,000円を足して111,000円。東京23区の民営の火葬場は87,000円を足して186,000円。どれも表示価格83,600円より大きい。

上の図は、足される分だけを並べたものです。 ここからは、待たずに済んだ場合も入れた、同じプランの合計です。 安置の延長は、このプランの1日33,000円で計算しています。

3通りとも、同じ葬儀社の同じプランです。 プランどうしの差が2倍なのに対して、 同じプランでも、住む地域と待ち日数で3倍以上に開きます。 値段が不明朗だからではなく、火葬料金と待ち日数が地域で決まっているからです。

3つのうち、自分で選べるのは表示価格だけです。 火葬料金は住んでいるところで決まっていますし、火葬場の空き具合も早められません。 だからプランを比べる前に、この2つを先に調べておくと、あとで迷いません。 順番が逆だと、安いプランを選んだのに超過分で高くつくことが起きます。

直葬の分として先に預けておくなら、20万円台を用意しておくことになります。ここで足しているのは、葬儀社の表示価格・火葬料金・安置の超過分の3つです。 骨を納める先に払う分と、頼む相手への報酬は、この外にあります。

頼む相手への報酬は、契約を結ぶ分で5万円台から11万円、 亡くなったあとに動いてもらう分で55万円から110万円ほどです。

用意できないときも、火葬は行われます。 頼む相手を決めていなければ、市区町村が引き受けます。 かかったお金は、まず亡くなった方の預金や現金から充てられ、 足りない分は市区町村が負担します。額が足りないから火葬されない、ということはありません。

生活保護を受けている方には葬祭扶助が出て、火葬までの費用がまかなわれます。 受けていない方でも、葬儀の費用が用意できないときは、 お住まいの市区町村の福祉の窓口に「葬儀の費用が用意できない」と伝えて相談してみてください。 額と、誰が申請するのかはお金がないときの死後事務にまとめています。

自分が死んだあとに直葬にするには、頼む相手を決めておきます

頼めるのは、弁護士・司法書士・行政書士と、死後事務を引き受けている会社です。 結ぶのは、亡くなったあとの手続きを頼む契約で、 その中に「式はしない」「火葬だけにする」「この葬儀社に頼む」まで書いておけます。 かかるお金と選び方は死後事務委任契約とはにまとめています。

ただし、頼めば全部が済むわけではありません。 死亡届の届出人になれるのは決まった12の立場だけで、 頼まれた相手はそこに入っていません。 任意後見契約も一緒に結んでおくかどうかが、そこの分かれ目になります。

決めていない場合、骨は市区町村が一定の期間預かったあと、ほかの方と一緒に納められます。

代金を誰がどう払うかも、同じ契約で決まります。 亡くなったことが銀行に伝わると、その口座からは引き出しも振り込みもできなくなります。 自分の口座に代金を残しておくやり方は取れません。

預ける先は2つあります。頼む相手に先に預けておくか、生前に葬儀社へ払っておくかです。 葬儀社に払うほうは、生前契約や事前相談という名前で受けています。 ただしそれだけだと、亡くなったことを誰が葬儀社に知らせるかが残ります。

気をつけるのは、預けた先が先になくなったときです。 知り合いや士業の個人に頼むと、先に亡くなられたときに、もう一度探し直しになります。 死後事務を引き受けている会社と契約すれば、引き受ける人が変わっても契約は残ります。 葬儀社のほうも、続いていることが前提になります。 いま契約しても、使われるのは20年ほど先になることがあります。

預けたお金は、その運転資金と分けて預かっているかどうかで、 預け先がなくなったときに戻るかどうかが変わります。 契約の前に「預り金は御社の運転資金と分けていますか」と聞いてみてください。

頼れる家族がいない人の実態調査2026 — 回答者の声

「墓じまいや自分が死んだ時どうしたらいいのか」
東京都・60代・女性

直葬にしても、いまあるお墓は残ります。 継ぐ人がいないなら、墓じまいをして納め先を決めるところまでが同じ支度です。 自分の骨をどこに納めるかも、同じ契約の中で決められます。 納め先の選び方と墓じまいは墓じまいと、自分が入る先にまとめています。

よく聞かれること

資料請求すると、営業の電話がかかってきますか

資料が届いたあとに案内の連絡が来ることはあります。断って終わりにできます。契約していない段階なので、何かを決めさせられることはありません。

表示されている値段は税込ですか

この記事に出した額は税込です。葬儀社によっては税抜で出しています。同じ会社の中でも、割引後の額は税込、割引前の通常価格は税抜、という並べ方をしているところがあります。額を見るときは、その下に小さく書かれている税の扱いも一緒に見てみてください。

友引の日は火葬できないのですか

法律で決まっているわけではありませんが、友引を休みにしている火葬場が多くあります。年末年始も休みになります。休みの翌日は予約が集中するので、そのぶん待ち日数が延びます。自分の地域の火葬場の休みは、市区町村に聞けば分かります。

骨を受け取る人がいない場合はどうなりますか

火葬までは行われます。自分で納め先を決めておきたい場合は、亡くなったあとの手続きを頼む契約の中に、納骨まで入れておきます。その場合は、直葬の費用とは別に、納め先に払う分も先に見ておきます。

直葬にすると、あとから親族に文句を言われませんか

直葬にしたことを知らせる相手がいる場合は、契約のときに「誰に知らせるか」も決めておけます。式をしないと決めた理由まで書き残しておくと、知らせを受けた側が、なぜ呼ばれなかったのかで気を悪くしにくくなります。頼む相手がいない状態で亡くなると、市区町村が親族を探して連絡するので、そこで初めて知ることになります。

遠くの葬儀社にも頼めますか

プランに入っている搬送の距離を超えると、超えた分が足されます。安置所も葬儀社が持っている場所になるので、亡くなった場所から遠いほど、車の距離が伸びます。火葬場は住んでいる市区町村のものを使うことになるので、葬儀社だけ遠いところに頼むと、行き来の分だけ高くなります。