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保証人代行と身元保証会社。料金と、預けたお金の扱い
2026年8月17日時点の情報です。
入院や介護施設の保証人を引き受ける会社があります。保証人になってくれる人を紹介してもらう形ではなく、会社そのものが保証人の欄に名前を書きます。始めるときにまとまった額を払い、亡くなったあとに使うお金を先に預けます。

保証人の欄に名前を書くのは、人ではなく会社です
身元保証会社、保証人代行、終身サポート。呼び名はさまざまですが、していることは同じです。入院や入所の書類にある保証人の欄に、会社の名前と代表者名が入ります。担当の人も来ますが、責任を負うのは会社です。
この会社に頼めることは、大きく3つに分かれます。
身元保証会社に頼めること
保証人の欄に署名する
入院や入所の書類の保証人欄に署名します。急に容体が変わったときの連絡先になり、支払いが滞ったときに代わって払います。亡くなったあとの荷物の引き取りまで引き受けるのがふつうです。
暮らしのなかの手続きを手伝う
通院の付き添い、買い物、入院に要るものを届ける、公共料金の支払いや預金の出し入れ、定期的な電話や訪問。どこまで含むかは会社ごとに違い、1時間いくらの追加料金になっているものもあります。
亡くなったあとの手続きをする
葬儀と納骨、部屋の片づけ、市区町村への届け出、電気やガスや携帯電話の解約。これは死後事務委任という別の契約で、料金も別に決まっています。
この3つは、それぞれ別の契約です。3本をまとめて1通にする会社と、頼むことごとに分けて作る会社があります。1通にまとまっていると、どの分にいくら払っているのかが読み取りにくくなります。パンフレットに「プラン」としか書かれていないときは、契約の書面を見せてもらってください。
賃貸の連帯保証人は、別のところが引き受けます
部屋を借りるときの連帯保証人は、この会社ではなく家賃保証会社の仕事です。保証料は家賃の0.5〜1か月分で、桁がひとつ違います。入院や入所の身元保証を引き受ける会社が、あわせて家賃の保証もするとは限りません。部屋を借りる話は賃貸を借りるときにまとめています。
始めるときに払うのは、保証人の欄までなら40万円ほど。一式なら150万円ほど
金額を公開している会社の表を並べると、だいたいこの2つに分かれます。
| 頼む範囲 | 始めるときに払う合計 |
|---|---|
| 保証人の欄まで | 40万円ほど |
| 葬儀・納骨まで | 150万円ほど |
幅があります。保証人の欄までで30万〜60万円、葬儀と納骨まで頼むと90万〜190万円。どちらも別に、毎月3,000円から1万円ほどの会費がかかります。お金の管理や見守りを足すと、毎月2万円を超える会社もあります。
見比べるなら、項目ごとの額ではなく合計です。「身元保証料11万円」と書いている会社が、別に登録料を44万円取っていることがあります。「原則無償」と書いている会社もあります。項目の切り方が会社ごとに違うので、同じ名前の欄の額を並べても、同じものを比べたことになりません。
合計にすると幅は2倍ほどに収まりますが、それでも数十万円の差が残ります。差が出るのは、内訳のうち入会金と、預けるお金です。入会金が40万円の会社と0円の会社があり、預けるお金を取らずに亡くなったあと残った財産から精算する会社があります。
始めるときに払う額の中身
入会金・契約金
頼んだことへの代金ではなく、頼める立場になるための料金です。0円の会社から40万円台の会社まであります。やめたときに戻らないことがあるのは、ここです。
身元保証料
保証人の欄に署名することへの料金。一度きり払う会社が多いのですが、1回の入院ごとに1万円、あるいは年3万円という決め方の会社もあります。入院を繰り返すかどうかで総額が変わるので、一度きりかどうかを見ておいてください。
毎月の会費
契約が続いているあいだ、ずっとかかります。3,000円から1万円ほど。年齢が上がると上がる会社もあります。10年で40万円から120万円になるので、始めるときの額と同じくらい大きい部分です。
預けるお金
亡くなったあとの葬儀・納骨・片づけに使うお金を、先に渡しておくものです。20万円から150万円ほど。渡した時点では使われておらず、会社が持っています。預からずに、亡くなったあと残った財産から精算する会社もあります。
このほかに、公正証書を作る手数料、遺言書の作成、任意後見の申立てが別料金になっている会社があります。見積書をもらうときは、1回だけ払うものと、毎月かかるものを分けて書いてもらってください。
やめたとき、預けたお金は戻ります。入会金は契約書しだいです
契約したあとで気が変わることも、親族が引き受けると言い出すこともあります。そのときに戻るお金と戻らないお金は、はっきり分かれています。
預けたお金は戻ります。手数料を引いた全額を返す、と身元保証の契約書に書くのが通例です。まだ使われていないお金なので、ここで揉めることはあまりありません。
戻りにくいのは入会金です。「解約しても返さない」と身元保証の契約書に書いている会社があります。「1年以内なら8割を返し、以後1年ごとに2割ずつ減って、4年経ったら返さない」という決め方をしている会社もあります。入会金の返さない条項をめぐって消費者団体から使用の差し止めを求められ、和解して入会金という項目自体をなくした会社もあります。
つまり、合計より入会金がいくらかを見ておくと、やめやすさが分かります。入会金が小さくて毎月の会費で回している会社は、途中でやめても損が小さくなります。
この契約に、法律のクーリングオフはありません
8日以内なら無条件で取り消せる、という決まりのある取引に、身元保証の契約は入っていません。一度署名すると、その契約書に書いてある解約の条項に従うことになります。
そのうえで、「契約の日を含む8日間なら書面で申し込みを撤回できる」という条項を自分から契約書に入れている会社もあります。すぐに決めたくないときは、その条項があるかどうかを聞いてみてください。
会社が倒産したとき、預けたお金は、他の債権者と分け合います
「預ける」という言葉から、自分のお金がどこかに取り置かれている絵を思い浮かべますが、法律の扱いは違います。渡した時点で、そのお金は会社の財産になります。本人に残るのは「返してください」と言う権利だけです。
会社が倒産すると、その権利は担保も優先順位もない一般の債権になります。残った財産を債権者みんなで分けることになるので、全額は戻りません。
ひとつだけ扱いの違うものがあります。信託です。信託銀行や信託会社に預けたお金は、預かった会社が倒産しても手をつけられません。

「専用の口座で分けて管理しています」は、倒産とは別の話です
運転資金と混ざらないように別の口座に分けている、という説明はよく聞きます。使い込みは起きにくくなりますが、その口座の名義が会社である以上、倒産したときの扱いは変わりません。提携する法律事務所の口座で管理している場合も、その法人が倒れれば同じです。
預けたお金を守る形になっているかどうかは、名義が誰かで決まります。信託になっているか、本人名義の口座のままかを聞いてみてください。
2016年に、預かったお金を賞与や新しい事務所の開設に使っていた団体が破産しました。このとき、弁護士が間に入る三者の契約で預けていた人には全額が戻り、団体と本人の二者だけで契約していた人には一部しか戻りませんでした。同じ団体に同じように預けていても、誰が持っていたかで結果が分かれています。
お金が一部戻っても、葬儀や納骨は実行されません。別の会社と契約し直すことになりますが、そのときには年齢が上がっていて、入れる年齢に上限を設けている会社もあります。
契約の書面で確かめる5つ。まず、預けたお金の名義から
この仕事を決めた法律はまだなく、免許も届け出もありません。判断の材料になるのは、その会社が出す書面です。パンフレットではなく、契約の書面と重要事項説明書を見せてもらってください。
持ち帰って読むところ
預けたお金を、誰の名義で持っているか
信託になっているか、会社の口座か、本人名義の口座か。ここで倒産したときの結果が変わります。
やめたときに、どの項目がいくら戻るか
預けたお金と入会金は扱いが違います。入会金の返金について書いていない身元保証の契約書もあるので、書いていなければその場で聞いてみてください。
頼めることの一覧と、それぞれの料金
「保証人の欄への署名」「入院のときの付き添い」「亡くなったあとの葬儀」が、それぞれいくらか。1通にまとまっているときほど、分けて書いてもらう意味があります。
引っ越して担当のエリアを出たとき、どうなるか
多くは1か所の事務所でやっています。県外に移ったら契約を解約する、という会社があります。子の近くに移る予定があるなら、先に聞いておいてください。
亡くなったあとに、財産を寄付する話が入っていないか
残った財産の寄付や遺贈を受け取る方針の会社があります。そのつもりがないなら、契約のときに伝えておいてください。遺言書の作成をあわせて頼むときは、とくに読み合わせてください。
1つめの、預けたお金の名義は、身元保証の契約書の文言に出ます。

面談は無料の会社が多くあります。
困りごとが1つだけなら、会社を使わずに済みます
身元保証会社は、頼める人がいないときの選択肢のひとつです。入院だけ、亡くなったあとだけ、というように困りごとが決まっているなら、そこだけを解く方法があります。
入院の保証人を求められている
保証人がいないことだけを理由に入院を断ってはならないことになっています。まず病院の相談窓口で話してみてください。クレジットカードの登録で保証人が不要になる病院や、月数千円の保証会社を案内する病院もあります。入院の保証人がいないときにまとめています。
介護施設の身元引受人を求められている
成年後見制度を使う、市区町村に相談する、身元保証会社と契約する。介護施設が挙げる条件はこの3つです。順番としては、先の2つを試してから会社を考えても間に合います。介護施設の身元引受人にまとめています。
亡くなったあとのことだけ決めておきたい
葬儀・納骨・部屋の片づけだけなら、死後事務委任の契約を弁護士や司法書士と単独で結ぶ形があります。生きているあいだの月会費がかからない分、総額は下がります。死後事務委任契約にまとめています。
お金の管理が不安になってきた
判断力が落ちたあとに備えるなら任意後見、いま少し手伝ってほしいなら社会福祉協議会の日常生活自立支援事業があります。月1,000円台から使えます。認知症と口座の凍結にまとめています。
よくある質問
生活保護を受けていても契約できますか
始めるときに数十万円を用意することになるので、多くの会社では難しくなります。市区町村の福祉の担当か、地域包括支援センターに相談してみてください。自治体によっては、葬儀と納骨を生前に手配しておく支援を用意しているところもあります。
親族がいますが、頼めない事情があります。契約できますか
できます。親族がいる人の契約は珍しくありません。ただし、会社によっては契約の前に親族へ連絡して説明します。連絡してほしくない事情があるときは、面談のときに伝えておいてください。亡くなったあとに親族が現れて揉めるのは、たいてい説明がされていなかった場合です。
認知症が進んでからでも契約できますか
内容を理解して自分で決められる段階なら結べます。診断を受けたあとでも同じです。判断力が足りないと見られる段階に入っていれば、家庭裁判所が後見人を選ぶ制度に切り替わります。
会社が倒産したかどうかは、どうやって知るのですか
決算の内容を自分のサイトに載せている会社は多くないので、外から様子をつかむのは難しくなります。代わりに、定期的な連絡が来るかどうかが手がかりになります。年に一度は会社の事務所へ行って担当の人と会う、という付き合い方をしておくと変化に気づけます。
出典
- ・総務省行政評価局「身元保証等高齢者サポート事業における消費者保護の推進に関する調査 結果報告書」(令和5年8月)
- ・高齢者等終身サポート事業者ガイドライン(令和6年6月)
- ・日本経済新聞「預託金流用の公益財団法人、破産手続きに移行」(2016年3月23日)
- ・各社が公表している料金表
入院の保証人がいない
施設の身元引受人
死後事務委任契約
孤独死を防ぐ見守り
認知症と口座の凍結
高齢で賃貸を断られたら
老後の持ち家
遺言書の書き方
葬儀と、継ぐ人がいないお墓