終身建物賃貸借とは。結べる部屋がどこにあるかと、保証人が要るかどうか
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生きているあいだ契約が続いて、亡くなった時点で終わる借り方です。相続人に引き継がれないので、貸す側が高齢の方に部屋を貸しやすくなります。 ただし、都道府県の認可を受けた住宅でしか結べません。 認可を受けた住宅ひとつを1件と数えて、ふつうの賃貸住宅は全国で15件、部屋の数にすると281戸です。 ふつうのアパートを借りたい方には、この契約は使えません。

借りていた人が亡くなると、大家さんは戸籍をたどって相続人を探します
ふつうの賃貸借契約は、借りていた人が亡くなっても、そこで終わりません。 契約は相続人に引き継がれます。相続人が解約するまで、家賃は発生し続けます。
大家さんは、相続人が誰なのかを戸籍をたどって探すところから始めます。 相続人がいないと、家庭裁判所の手続きが終わるまで待ちます。 高齢のひとり暮らしの方が断られるのは、この先の手間を見ているからです。
終身建物賃貸借は、亡くなった時点で契約が終わります。 相続人に引き継がれないので、大家さんは相続人を探さずに済みます。 高齢者の居住の安定確保に関する法律という決まりにもとづく契約で、2001年からあります。

大家さんが「そうしましょう」と言えば結べる契約ではありません。 この契約では、貸す側が都道府県の認可を受けていることが要ります。 認可を受けた貸す側を、以下では事業者と呼びます。 認可がなければ、借りる人と貸す側の両方が望んでも結べません。
入れるのは60歳からです。ひとりでも入れます。 配偶者の方は年齢を問わず一緒に住めます。それ以外の親族は60歳以上の方だけです。
住宅の側にも決まりがあります。床に段差がないこと、浴室に手すりがあること、 廊下の幅が取ってあること。バリアフリーの工事をした住宅でないと認可されません。
認可を取るのは事業者の側です。借りる人が申請するものではありません。 いま借りている部屋が認可を受けた住宅でなければ、切り替えられません。 認可を受けている住宅のほうから探します。
年齢を理由に断られたときにできることは高齢で賃貸を断られたらにまとめています。
認可を受けた住宅の多くは、高齢者向け住宅です
「今のアパートが老朽化していて、この先退去することになった時、新しいアパートの保証人とか緊急連絡先を頼める人がいない。」
こういうときには、この契約は使えません。保証会社を使う方法と、セーフティネット住宅の2つのほうが早く進みます。 保証会社のほうは、いま探している部屋のまま、保証だけを別に立てる方法です。 セーフティネット住宅は、高齢者を受け入れると先に登録している部屋から探す方法です。
保証人を頼める人がいなくても申し込める保証会社の探し方は賃貸の保証人がいないときにあります。 高齢者を受け入れる部屋を国のシステムで探す方法はセーフティネット住宅で説明しています。
使えないのは、認可を受けた住宅がまだほとんど無いためです。 認可の実績は、2021年度末で全国293件、1万4千戸ほどです。 ただ、そのうちサービス付き高齢者向け住宅でないものは、15件、部屋の数にすると281戸でした。終身建物賃貸借ができたのは2001年なので、20年かけてこの数です。

残りはサービス付き高齢者向け住宅です。 バリアフリーの部屋に、安否確認と生活相談が付いたものを指します。 介護施設ではありません。自分で部屋を借りて、家賃を払って住みます。 介護施設のような入居審査ではなく、部屋を借りる形です。
全国に8,300棟あり、そのうちの一部が、契約を終身建物賃貸借にしています。 高齢者向けの住宅に入るときに結ぶ契約です。
更新がなく、更新料もかかりません
ふつうの賃貸は2年ごとに契約を結び直します。そのたびに更新料を求められることがあり、 高齢を理由に更新を断られるのではないか、と気になる時期でもあります。 この契約には、その区切りがありません。
礼金や権利金は、認可の条件で取れません。敷金は住宅ごとに違います。 問い合わせるときは「初めに払うお金は、全部でいくらですか」の一言で足ります。
事業者の側から出ていってくれと言えるのは、住宅が古くなったり傷んだりして直すのに大きな費用がかかるときと、 長いあいだ住んでいなくて管理が難しくなったときの2つだけです。 しかも都道府県の承認が要ります。
この2つ以外で、出ていってくれと言われることはありません。 これに反して借りる人に不利にする取り決めを、終身建物賃貸借の契約書に入れても無効です。
家賃は同じ地域のふつうの賃貸と変わりません。入居の審査もふつうの賃貸と同じように受けます。 ただし行き先の多くはサービス付き高齢者向け住宅なので、 家賃のほかに共益費と、安否確認や生活相談の費用がかかります。 住宅ごとの額は、国が出しているサービス付き高齢者向け住宅情報提供システムで見られます。 敷金を含めた入居時の費用でも絞り込めます。
契約が相続されなくても、保証人か保証会社は要ります
「身元保証人となってもらえる家族がいなければ、引越しや入院は諦めざるをえないのかどうか?」
相続されないのは、亡くなったあとに契約が残るかどうかの話です。 生きているあいだ家賃を払えるかどうかは、別に見られます。 終身建物賃貸借でも、そこは変わりません。
この契約で使われる契約書には、2つの型があります。 家賃債務保証業者(保証会社)を使う型と、連帯保証人を立てる型です。 どちらの型かは、その住宅を扱っている事業者が決めています。自分では選べません。
保証会社を使う型の住宅なら、保証人を立てなくても契約できます。連帯保証人を立てる型の住宅は、頼める人がいないと契約できません。
見つかった住宅が連帯保証人を立てる型だと申し込めないので、問い合わせの最初に 「保証会社を使う型ですか、連帯保証人が要る型ですか」と聞いてみてください。 保証人の代わりを引き受けてもらえるところは居住支援法人とはにまとめています。
緊急連絡先も求められます。保証人とは別の欄で、体調を崩したときなどに連絡がいく先です。 頼める人がいないときは、緊急連絡先を引き受けている居住支援法人に頼みます。 引き受けるかどうかは法人ごとに違うので、居住支援法人の一覧で近くの法人を見つけて、「緊急連絡先を引き受けてもらえますか」と電話で聞いてみてください。
家賃は、先にまとめて預けることもできます
家賃の払い方には、毎月払いとまとめ払いがあります。毎月払いの住宅のほうが多いので、まとまったお金を用意できないときは、毎月払いの住宅から探せます。東京都が出している認可住宅の一覧では、まとめて預けるのが24、毎月払いが36でした。
まとめて預ける場合は、事業者が見込んだ年数分の家賃を、契約のときに一括で払います。 何年ぶんで計算しているか、総額はいくらか、戻らない分はいくらかは住宅ごとに違うので、 問い合わせのときに3つまとめて聞いてみてください。
見込みより早く亡くなったり、途中で出たりしたときは、残りが戻ります。 戻る額の計算のしかたは、契約のときに書面で示されます。
預けたお金は、事業者が倒産しても戻せるように、別に確保しておくことが条件になっています。 銀行や保証会社が保証する形と、信託にする形の2つです。 東京都の一覧なら、住宅ごとにどちらの形かが分かります。一覧が無い都道府県では、住宅に直接聞きます。
預けたお金のうち、はじめから戻らないと決めてある分があります。非返還額といいます。 住む年数が見込みより延びたときに備えて、事業者が取っておくものです。 これがある住宅とない住宅があります。
やめるとき、試すとき、同居している方が残るとき
この3つは決まりで守られています
療養や老人ホームへの入居、親族との同居で出るとき
申し出てから1か月で契約が終わります。
それ以外の理由でやめるとき
やめる日を、申し出た日から6か月以上先で決めます。その日が来たときに契約が終わります。 それまで契約は続くので、家賃もその日までかかります。
先に住んでみたいとき
仮に入居したいと申し出れば、終身の契約の前に、1年以内で期間を区切った契約(定期借家)で住んでみることができます。 住んでみてから、終身の契約に結び直します。
ここからは、借りていた方が亡くなったあとの話です。 同居していた方は、借りていた方が亡くなったのを知った日から1か月以内に申し出ます。 住み続けられるのは、配偶者の方と、60歳以上の親族の方です。申し出があれば、事業者は契約を結ばなければなりません。 家賃などの条件は、前と同じになります。
それ以外の同居者の方は、その1か月のあいだだけ住めます。その間の家賃は前と同じです。 期限があるので、同居している方がいるなら、この1か月のことを先に伝えておきます。
亡くなった日で契約は終わりますが、荷物が残っているあいだは次の人に貸せません。 この契約で片づくのは契約のほうだけです。 荷物を誰が引き取るかは、生きているあいだに頼んでおきます。 2025年10月から、荷物の引き取りを居住支援法人に頼めるようになりました。ただし引き受けるには別の認可が要るので、受けている法人はまだ限られます。引き受ける法人は居住支援法人の一覧にあります。
認可を受けた部屋の探し方は、都道府県によって違います
認可をするのは都道府県です。政令指定都市では市が認可をするので、市が一覧を出していることもあります。 そのため、一覧を出しているところと、出していないところがあります。
| 東京都 | 認可を受けた事業者と、その住宅の一覧をPDFで出しています。住宅名、所在地、戸数、連絡先、家賃を先に預ける形かどうかまで載っています |
|---|---|
| 大阪市 | 3件の住宅名と戸数を出しています |
| その他 | 事業者が認可を申請するための説明だけで、住宅の一覧が無いところが多くあります |
まず「(都道府県名) 終身建物賃貸借」で検索してみてください。 一覧が出てこなければ、都道府県の住宅の担当課に電話をします。 「終身建物賃貸借の認可を受けた住宅を知りたいのですが」と言えば、答えてもらえます。
東京都住宅政策本部終身建物賃貸借制度都内で認可を受けた事業者と、その住宅の一覧が置いてあります。大阪市終身建物賃貸借制度市内で認可を受けた3件の住宅名と戸数が載っています。サービス付き高齢者向け住宅のほうから探す道もあります。 国が全国の登録住宅を検索できるシステムを出しています。 ただし終身建物賃貸借かどうかで絞り込むことはできません。 気になる住宅を見つけてから、そこに電話で聞く形になります。
サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム住宅を検索する全国のサービス付き高齢者向け住宅を、都道府県や家賃で絞って探せます。これから増える見込みはあります。2025年10月に決まりが変わって、事業者が認可を取りやすくなりました。 扱う会社は増えやすくなっています。
よく聞かれること
サービス付き高齢者向け住宅は、みんなこの契約ですか
違います。認可を受けているのは一部です。サービス付き高齢者向け住宅は全国に8,300棟ありますが、終身建物賃貸借の認可は2021年度末の集計で293件です。入りたい住宅が決まったら、そこに直接聞きます。
この契約だと、家賃を滞納しても追い出されませんか
家賃を払えないままになれば、ふつうの賃貸と同じように契約は解除されます。家賃が重くなりそうなときは、市区町村の住宅の窓口に相談すると、家賃の補助があるセーフティネット住宅を探せます。
ふつうのアパートで、この契約を使えませんか
認可を受けた住宅でしか結べないので、いま探しているアパートでは、まず結べません。認可を受けたふつうの賃貸住宅は、全国で15件しかありません。それでもこの契約で探したいときは、都道府県の一覧に載っている住宅に、1件ずつ問い合わせます。





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