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セーフティネット住宅。高齢者を受け入れる部屋の探し方と、家賃が下がる条件

更新

高齢を理由に断りません、と大家さんが届け出た民間の賃貸住宅です。全国で97万戸あります。 保証人の欄は家賃保証会社が埋めるので、名前を書いてくれる人はいりません。ただし、受け入れる人の種類は1戸ずつ違います。家賃が下がる部屋は6千戸ほどなので、そこは当てにしないほうが、あとでがっかりしません。 高齢者を受け入れている部屋を選び、国のサイトと不動産会社と市区町村の3つを当たる。 それがいちばん短い道です。

セーフティネット住宅は、ふつうの民間アパートです

セーフティネット住宅は、大家さんが都道府県や市に届け出た民間の賃貸住宅です。 建物は、駅前の不動産会社が扱っているアパートやマンションと同じものです。 高齢者向けの施設でも、公営住宅でもありません。

全国で97万戸ほどが届け出てあります。届け出てある部屋でも、入居できるかどうかは審査で決まります。

ふつうの賃貸と、どこが違うか

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年齢で落とされない

高齢を理由に断らないと、大家さんが先に届け出ています。受け入れる年齢の下限は物件ごとで、60歳からのところと65歳からのところがあります。国のサイトに物件ごとのページがあり、そこに下限が出ています。

2

家賃と広さの情報が国のサイトに載っている

物件ごとに、家賃、間取り、広さ、そして受け入れる人の種類が公開されています。誰でも見られます。

3

部屋の広さと地震への強さが確かめてある

届け出るには、広さが25平方メートル以上あることと、地震に耐えられる建物であることが要ります。都道府県が広さの基準を下げているところでは、もっと狭い部屋も入っています。

大家さんが高齢のひとり暮らしを断る理由は、亡くなったあとの部屋の片づけと、残った荷物と、契約の解約です。 届け出ている大家さんは、そこを承知のうえで手を挙げています。

亡くなったあとの解約と荷物を誰が引き受けるかは、部屋を借りるときに別に決めておきます。 そちらは高齢で賃貸を断られたらにまとめています。

高齢者を受け入れているかどうかは、1戸ずつ違います

大家さんは、受け入れる人の種類を選んで届け出ます。 子育て世帯だけを受け入れている部屋も、外国から来た人だけを受け入れている部屋も、同じ97万戸の中にあります。

枠は、高齢者、低額所得者、障害のある方、子育て世帯、そして被災した方や外国から来た方などをまとめた「そのほか」の5つに分かれます。 あてはまりそうなのは、高齢者と低額所得者の2つです。

種類どういう枠か
高齢者60歳または65歳から(物件ごとに違います)。年齢だけで決まる枠です。この枠に入るかどうかに、収入は関係ありません
低額所得者世帯の月収が15万8千円以下の人。年齢は問われません

枠に入るかどうかと、入居の審査は別です。審査では、収入も過去の家賃の払い方も見られます。

高齢者と低額所得者は、別の枠です。両方にあてはまるなら、どちらで申し込んでもかまいません。 年金がそれなりにある方も、貯金がある方も、高齢者を受け入れている部屋に申し込めます。

探すときは、この「受け入れる人の種類」で絞り込みます。 国が運営する「セーフティネット住宅情報提供システム」の検索に、そのままの欄があります。 絞り込まずに家賃と間取りだけで探すと、高齢者を受け入れていない部屋が一緒に出てきて、 問い合わせて初めて分かります。

高齢者を受け入れている部屋と、受け入れていない部屋を上下に分けた図。高齢者・低額所得者・障害者・子育て・そのほかの5列に、受け入れている枠は濃い人型、受け入れていない枠は薄い人型を置いてある。上のA荘とCコーポは高齢者の列が濃く、下のBハイツとD荘は薄い

家賃が下がるのは、97万戸のうち6千戸です

セーフティネット住宅は、家賃が安い住宅だと受け取られがちです。多くは下がりません。届け出てあるだけの部屋は、まわりの部屋と同じ家賃で募集されています。

家賃が下がるのは、入る人を絞って届け出た「専用住宅」という枠です。 家賃が下がる部屋を条件にすると、候補がほとんど残りません。

下がるときの額は、月4万円までです

入居できるかどうかに、収入の上限はありません。 家賃を下げてもらうときだけ、世帯の月収が15万8千円以下という条件が付きます。 低額所得者の枠と同じ額ですが、別の条件です。

住んでいる市区町村が、家賃を下げる補助を出していることも要ります。 出しているのは、全国で57の自治体です。残りの市区町村では、家賃は下がりません。 やっているかどうかの一覧は公開されていないので、市区町村の住宅の担当課で確認してみてください。 課の名前は市によって違い、住宅課、住宅政策課、安心居住課などと呼ばれています。

補助のある市区町村では、下がる額は月4万円まで・原則10年です。国の決まりがそうなっているためで、 横浜市のように月8万円まで・20年までと上乗せしている市もあります。 お金を受け取るのは大家さんで、入居する人は下がったあとの家賃を払います。補助の申請を出すのも大家さんの側です。

補助の付いた専用住宅は、市区町村が自分で入居者を募集していることがあります。 市の広報や、住宅の担当課のページに募集のお知らせが出ます。

届け出てある部屋97万戸を横いっぱいの帯で示し、そのすぐ下に同じ縮尺で専用住宅6千戸の帯を並べた図。専用住宅の帯は線ほどの太さしかなく、150戸に1戸であることが長さの差で分かる。専用住宅は月4万円まで家賃が下がり、家賃を下げている市区町村は57

保証料の補助には、緊急連絡先を引き受けてもらう費用が入ります

部屋を借りるときは、保証人とは別に、連絡がつく人を1人書く欄があります。緊急連絡先といいます。 家賃とは別に、家賃保証会社へ払う保証料を市区町村が出す仕組みもあります。 こちらは専用住宅でなくても、届け出てある部屋なら対象になります。保証料の補助を出しているのは30の自治体です。

この補助で出せるものに、保証料のほかに3つ挙がっています。 緊急連絡先を引き受けてもらう費用、亡くなったあとの手続きを頼む契約(死後事務委任契約)の費用、 そして孤独死と残った荷物に備える保険料です。 頼める人がいなくて書けなかった欄を、お金を払って埋める前提になっています。

都道府県から指定を受けた居住支援法人など、緊急連絡先を引き受ける法人と契約すると、 2年で1万1千円という例があります。 補助が出るかどうかは市区町村しだいなので、出なければこの額を自分で払います。 確かめどころは、住んでいる市区町村が保証料の補助を出しているかと、 その補助で緊急連絡先や死後事務委任の費用まで出るかの2つです。

探す場所は3つあります

国のサイト、地域の不動産会社、市区町村の住宅の担当課です。 どれか1つでは足りません。 載っている部屋、扱っている部屋、把握している部屋が、それぞれ違うためです。

当サイトの調査(頼れる家族がいない人の実態調査2026)では、 どこかに相談したことがある人のうち、7割以上が1か所にしか行っていませんでした。 1か所で断られたところで探すのをやめると、まだ見ていない部屋が残ります。

国のサイト ── 全国の届け出が、そのまま載っています

届け出た部屋は、国が運営する「セーフティネット住宅情報提供システム」に集められています。 会員登録は要らず、誰でも見られます。 都道府県と市区町村、家賃、間取り、広さ、駅からの時間、そして受け入れる人の種類を指定して絞り込めます。

ここで見るのは、まず自分の市区町村に何戸あるかです。数十戸しかない市もあれば、数百戸ある区もあります。 少なければ、隣の市まで広げるか、あとの2つを当たります。

国が運営しているサイトセーフティネット住宅 情報提供システム都道府県と市区町村、家賃、間取り、受け入れる人の種類で絞り込めます。物件ごとに問い合わせ先の会社名と電話番号が出ます。

このサイトに載っているのは届け出の情報で、いま空いているかどうかは載りません。 載っていても埋まっていることがあります。気になる部屋が見つかったら、 物件ごとに出ている問い合わせ先へ直接連絡して、空きがあるかを確かめます。 連絡する先は、その部屋を扱っている不動産会社や管理会社です。市区町村の住宅の担当課ではありません。

空きを問い合わせるときに、専用住宅かどうかも一緒に聞いてみてください。

地域の不動産会社 ── サイトに出ていない部屋を持っています

店頭で「セーフティネット住宅を探しています」と伝えると、届け出のある部屋を当たってもらえます。 高齢者を扱ってきた会社なら、届け出はしていないが受け入れる大家さん、という部屋も知っています。 退去が決まったばかりで、まだどこにも出ていない部屋が出てくるのもここです。

伝えるときは、年齢と、ひとり暮らしであることを先に言ってしまうほうが早く進みます。 高齢のひとり暮らしでも断らないと届け出ている部屋を探しているので、 年齢とひとり暮らしを先に言っても、それで断られることはありません。 あとから分かると、審査の直前で振り出しに戻ります。

市区町村の住宅の担当課 ── 地元の一覧と、家賃の補助が分かります

市区町村によっては、区内の届け出物件の一覧を自分で作って配っています。 家賃や家賃保証会社への保証料を市区町村が出す補助があるかどうかも、ここで分かります。

あわせて、居住支援法人という相談先の名前と連絡先を教えてもらえます。 都道府県から指定を受けた法人で、部屋探しの付き添いや、大家さんへの説明を引き受けています。 相談と部屋探しの手伝いは無料です。見守りや保証を契約する場合は、有料になります。

頼れる家族がいない人の実態調査2026 — 回答者の声

「どこに相談すればいいのかわからない」
大阪府・60代・男性

保証人の欄は、家賃保証会社が埋めます

連帯保証人の欄は、家賃保証会社が埋めます。名前を書いてくれる人を自分で見つける必要はありません。 そのかわり、家賃保証会社に保証料を払います。 契約のときに家賃の半月から1か月分。そのあと1年ごとに1万円から2万円ほどです。

緊急連絡先の欄は、連帯保証人の欄とは別にあります。こちらは自分で埋めます。つまずく方がいちばん多いのが、この欄です。緊急連絡先は、親族でなくてかまいません。友人や知人、ケアマネジャーでも書けます。 都道府県から指定を受けた居住支援法人など、緊急連絡先を引き受ける法人と契約して、 その法人の名前と電話番号を書くこともできます。誰に頼めて、いくらかかるかは賃貸の保証人代行にまとめています。

家賃6万円の部屋なら、はじめに家賃保証会社へ3万円から6万円。そのあと1年ごとに1万円から2万円。 緊急連絡先を法人に頼むなら、2年で1万1千円です。 これは保証にかかるお金だけです。敷金・礼金・仲介手数料は、ふつうの部屋と同じように別にかかります。

頼れる家族がいない人の実態調査2026 — 回答者の声

「身元保証人となってもらえる家族がいなければ、引越しや入院は諦めざるをえないのかどうか?」
奈良県・60代・男性

そのうえで、家賃保証会社の審査があります。年齢では落ちません。

家賃保証会社が見るところ

1

収入

年金だけでも通ります。見られるのは、家賃が収入に対して高すぎないかです。貯金の額を見てもらえる場合もあります。

2

過去の家賃の払い方

家賃を払えずに退去したことや、クレジットカードの支払いが止まったことがあると引っかかります。

3

緊急連絡先

連絡がつく人を1人書く欄です。空欄のままだと、審査に進めません。

審査に落ちたときの相談先は、不動産会社です。基準は家賃保証会社ごとに違うので、 同じ部屋のまま別の保証会社へ出し直せることがあります。 何で落ちたのかも、不動産会社に聞いてみてください。 緊急連絡先の欄が原因なら、そこを埋め直すだけで通ることがあります。

入院のときに求められる保証人は、これとは別の話です。頼める人がいないときにどうするかは入院の保証人がいないときにまとめています。

見守りが付いた部屋は、2025年10月に始まったばかりです

セーフティネット住宅の隣に、もうひとつ枠ができました。居住サポート住宅といいます。 全国で353戸しかないので、いま探している部屋の候補にはなりません。 この枠が増えたときには、頼める人がいない方にいちばん向いた部屋になります。 理由は、家賃保証会社の側の決まりです。

居住サポート住宅に入る人の保証は、国が認めた家賃保証会社が原則として引き受けることになっていて、 その会社は、緊急連絡先を親族などの個人に限れません。 法人の名前でよい、と決められています。書く人がいないという理由で断られません。

部屋のほうには、入居したあとの見守りが付いています。 センサーなどで1日1回以上、無事かどうかが確かめられ、月に1回以上は人が訪ねてきます。 体調や暮らしが揺らいだときは、介護や福祉の窓口につないでもらえます。 見守りを引き受けるのは、都道府県から指定を受けた居住支援法人などです。 その体制まで含めて、市区町村が1件ずつ認めます。

認められた部屋は「居住サポート住宅情報提供システム」という別のサイトに載っています。 いまは数が少ないので、探すときに見なくてかまいません。

よく聞かれること

収入がなくても、貯金がなくても入れますか

家賃を払えるかどうかは見られます。年金や給与がなければ、貯金の額で判断してもらう話になります。どちらもない場合は、家賃保証会社の審査を通りません。

生活保護を受けている、あるいは受けられる状況なら、家賃は住宅扶助から出るので、審査の収入の面はふつう問題になりません。部屋を決めるより先に、市区町村の福祉の窓口への相談が要ります。

建て替えで出ていってほしいと言われました

確かめるのは、更新のある契約かどうかです。契約のときに、賃貸借契約書とは別に「更新がなく、期間が終われば終わります」と書いた紙を渡されていれば、更新のない契約です。その紙がなければ、更新のあるふつうの契約です。

更新のある契約なら、大家さんが更新しないと言うには、正当な理由が要ります。知らせる時期も決まっていて、期間が終わる1年前から6か月前までのあいだです。建物の傷み具合だけで決まるものではなく、大家さんと借りている側それぞれの事情を比べて判断されます。立ち退き料が示されることもあります。

その場で返事をせず、市区町村の住宅の担当課か、消費生活センターに相談してみてください。次の部屋を探しはじめるのは、そのあとで間に合います。

公営住宅とは何が違いますか

公営住宅は市区町村や都道府県が持っている住宅で、抽選があり、収入の上限が決められています。セーフティネット住宅は民間の大家さんの持ち物で、抽選はなく、空いていれば申し込めます。家賃も大家さんが決めます。同時に両方を当たっておくことはできます。

サービス付き高齢者向け住宅と、どちらがよいですか

比べるところが違います。サービス付き高齢者向け住宅は、安否の確認と生活の相談が付いた高齢者専用の住宅で、その分の費用が家賃に上乗せされます。セーフティネット住宅はふつうの賃貸なので、そうした費用はかかりません。そのあいだにあるのが、居住サポート住宅です。ふつうの賃貸のまま、安否の確認と見守りが付きます。ただし全国で353戸です。見守りが要るかどうかと、いま入れる部屋があるかどうかで分かれます。見守りだけを別に付けたい場合は、孤独死を防ぐ見守りにまとめています。

いま住んでいる部屋を、セーフティネット住宅にしてもらえますか

届け出るかどうかを決めるのは大家さんです。借りている側からは申し込めません。いま住み続けられている部屋なら、届け出があってもなくても、契約の中身は変わりません。