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賃貸の保証人がいないとき。契約書の3つの欄を、誰が埋めるか

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保証人になってくれる人がいなくても、部屋は借りられます。むしろ、個人に頼むほうが通りにくくなりました。 契約書で名前を書く欄は3つあり、詰まるのは保証人ではなく、緊急連絡先の欄です。

保証人の欄は、いま家賃保証会社が埋めます

家賃保証会社は、家賃が滞ったときに、大家さんへ代わりに立て替えて払い、あとで本人に請求する会社です。 民間の賃貸のおよそ8割が、この埋め方になっています。 どの会社を使うかは物件ごとに決まっていて、部屋を決めてから、その会社に申し込む流れです。

ひと昔前は、親や兄弟に保証人を頼むのが普通でした。 いまは、家賃保証会社が引き受けます。 不動産会社で「保証人がいません」と言っても、断られません。 申し込みの書類にも、保証人の氏名や住所を書く欄がない物件が増えています。

取り立ても保証会社がやるので、大家さんが借りる側へ直接かけ合うことはありません。 大家さんは取りはぐれず、借りる側は保証人を立てずに済みます。 そのぶん、借りる側が保証料を払います。

頼れる家族がいない人の実態調査2026 — 回答者の声

「信頼できる保証人の見つけ方が知りたいです。」
石川県・60代・女性

見つけなくて大丈夫です。頼める人がいないことは、部屋探しで不利になりません。 信頼できる人を探すより、部屋を扱う不動産会社に「保証会社で申し込めますか」と聞くほうが、 そのまま話が進みます。

部屋を借りる契約で、人の名前を書く欄は3つあります。 連帯保証人、緊急連絡先、受任者です。 3つとも埋める人が違うので、誰が埋めるかを先に知っておくと、店頭で話が早く進みます。 まとめて「保証人」と呼ばれることがありますが、役目はそれぞれ別です。

連帯保証人の欄は、家賃保証会社が埋めます。ここは任せられます。 受任者の欄は、亡くなったあとに部屋を解約して荷物を引き取る人で、 物件を管理している会社が引き受けることが、いちばん多いです。自分で探す必要はありません。 不動産会社が候補を出してくれます。

賃貸借契約書で人の名前を書く3つの欄を、書類の見本の形で示した図。連帯保証人の欄は家賃保証会社、緊急連絡先の欄は自分で用意する人、受任者の欄は管理会社が引き受けることが多い。自分で用意するのは緊急連絡先の1つだけ

自分で用意するのは、真ん中の緊急連絡先だけです。頼める家族がいない方が詰まるのも、ここです。

緊急連絡先は、自分で用意します

保証会社を使っても、緊急連絡先の欄は別に残ります。 空欄のままでは審査に進めない会社がほとんどです。

緊急連絡先は、保証人ではありません。 名前を書かれた人に、お金の負担はありません。 本人と連絡が取れなくなったときに、大家さんから電話が入る、という役目です。

書くのは3親等以内の親族が原則です。両親、子、兄弟、おい・めいまでが入ります。 友人や職場の同僚で通ることもありますが、どこまで認めるかは保証会社ごとに違います。 思い当たる人がいたら、住んでいる市の名前を伝えて、 「この人でも大丈夫ですか」と不動産会社に聞いてみてください。

友人や同僚に頼むときは、「保証人ではなく、緊急連絡先です」と先に言うと早く済みます。 保証人を頼まれたと思って身構える人が多いためです。 頼まれた側は、賃貸借契約書に署名や押印をするわけでもありません。 氏名と電話番号を伝えるだけで、契約の当日に立ち会う必要もありません。

誰も思い当たらないときは、引き受ける法人があります。 都道府県が指定した居住支援法人や、緊急連絡先の代行を扱うNPOです。 契約を結んでおくと、その法人の名前と電話番号を欄に書けます。 大家さんから連絡が入ったときに電話を受けるのが、その法人の役目です。

近くの居住支援法人は、市区町村の住宅の担当課で教えてもらえます。 都道府県のホームページにも、指定した法人の一覧が載っています。 市役所に電話して「高齢者の住まいの相談をしている課につないでください」と言うと、そこにつながります。

不動産会社から法人を紹介されることは、あまりありません。 自分で探すことになるので、住宅の担当課に先に聞いておくと、部屋を決めてから慌てずに済みます。

頼れる家族がいない人の実態調査2026 — 回答者の声

「保証人や後を任せるのに適切な費用が知りたい。 自治体でサービスは無いのか?」
神奈川県・60代・男性

引き受ける法人に払うのは、年に2万円から4万円ほどです。保証料とは別にかかります。 これとは別に、初めにかかる分を取る法人があります。額は法人ごとに違うので、 電話をしたときに「初めに払う分と、毎年払う分は、それぞれいくらですか」と聞いてみてください。 緊急連絡先だけを引き受ける法人もありますが、多くは見守りとセットです。 契約の前に「緊急連絡先だけでも引き受けてもらえますか」と聞いてみてください。

市区町村に、緊急連絡先を引き受ける事業があれば、もっと安く済みます。 東京都大田区は、区が紹介するNPOが引き受けていて、2年で1万1千円です。 区が5千円を助成するので、初めの2年は6千円です。 こういう事業があるかどうかは市区町村によって違うので、住宅の担当課が知っています。 誰に頼めるかの比べ方は賃貸の保証人代行にあります。

知り合いの名前を書かなくても契約できます。上に書いた法人が引き受けます。 本人に断ってから書けば問題ありませんが、黙って書くと、分かったときに契約を解除されます。

保証会社の保証料と、審査で見られること

払うのは、契約のときに家賃の半月分から1か月分。家賃6万円なら3万円から6万円ほどです。 そのあとは1年ごとに1万円から2万円ほどかかります。

保証会社は、その部屋を扱う不動産会社が使っている会社に申し込みます。 借りる側が選ぶところではありません。

審査があります。見られるのは、収入と、支払いの記録と、緊急連絡先の3つです。

収入は、家賃が高すぎないかを見られます。 目安は、家賃が手取り月収の3分の1まで。年金が月15万円なら、5万円くらいまでです。 年金だけでも見てもらえます。

支払いの記録は、家賃やクレジットカードの支払いが止まったことがないかです。 過去5年のあいだに2か月以上の遅れがあると、記録が残っていて引っかかります。 自分の記録は、先に取り寄せられます。 CICという機関に、インターネットで申し込むと500円、郵送なら1,500円です。

ただし、見るものは保証会社によって違います。 クレジットカード会社や信販会社がやっている保証会社は、カードの記録を見ます。 独立系と呼ばれる保証会社は、カードの記録を見ません。高齢の方の基準も、そちらのほうがゆるめです。

提出するのは、本人確認の書類と、収入が分かるもの。 年金だけなら、年金の振込通知書か、通帳の入金のページです。 貯金で見てもらう場合は、その残高が分かるものを添えます。

落ちたときは、別の保証会社なら通ることがあります。 1社で決まる話ではありません。扱う保証会社を替えてもらえないかを、その場で当たります。

個人の保証人を立てなくても借りられる部屋

ふつうの物件のほかに、2つあります。財団が保証人の代わりに入る部屋と、 保証人も保証会社も要らない部屋です。

1つめは、高齢者住宅財団の保証が使える部屋です。 大家さんと財団が先に約束を結んだ物件でだけ使えます。 高齢者の家賃保証を専門にやってきたところで、 滞納した家賃だけでなく、部屋を元に戻す費用と、訴訟になったときの費用まで入っています。

財団の場合も、保証料は借りる側が払います。家賃6万円の部屋を2年借りるなら2万1千円で、 ふつうの保証会社より安く済みます。 その物件で使えるかどうかは、不動産会社が調べてくれます。 申し込み方は高齢で賃貸を断られたらにまとめています。

2つめは、UR賃貸住宅です。 URの場合は、保証人も保証会社も要りません。保証料もかかりません。 本人の書類だけで契約できて、礼金と仲介手数料、更新料もかかりません。

条件は収入です。家賃8万2,500円未満の部屋なら、家賃の4倍の月収があること。 家賃6万円の部屋なら24万円です。 年金だけで足りない場合は、貯金が家賃の100倍あれば代えられます。家賃6万円の部屋なら600万円です。 家賃が8万2,500円以上の部屋になると、月収33万円という別の線に変わります。

団地のある地域に限られます。近くにあるかどうかは、UR賃貸住宅のホームページか、 地域の営業センターで分かります。

いま、不動産会社に聞くこと

部屋を探すときに聞くのは、2つで足ります。

店頭で聞く2つ

1

保証人はいませんが、保証会社で申し込めますか

ほとんどの物件が家賃保証会社を使っているので、この質問で断られることは、まずありません。

2

緊急連絡先は、親族以外でもよいですか

友人や同僚で通る会社があります。誰も書けないときは、そのまま「頼める人がいない」と伝えてみてください。

審査に落ちたときは、「ほかの保証会社は扱っていませんか」「独立系の保証会社は扱っていませんか」を足します。 高齢者住宅財団の保証を使いたいときも、この場で伝えるのが早いです。申し込むのは大家さんか管理会社だからです。

2020年4月から、個人に頼むときは上限額を書きます

ここから2つは、いま個人の保証人を頼める方の話です。 頼める人がいなければ、読まなくてかまいません。

頼める人がいれば、個人に頼むほうが安く済みそうに思えます。 ところが、そこは2020年4月に変わりました。

2020年4月1日から、個人が保証人になるときは、 「この人はいくらまで払います」という上限額を賃貸借契約書に書くことになりました。極度額といいます。これを書いていない保証は無効です。書いていなければ、大家さんは、その保証人に家賃を請求できません。 だから大家さんは、個人の保証人を嫌がります。

上限額は、家賃の何か月分に当たる額で決められることが多く、 賃貸借契約書には「◯◯円」と数字で書かれます。

上限額を書いた場合でも、それを超えた分は大家さんが自分でかぶります。

上限額の決まりが掛かるのは、個人が保証人になるときだけです。 家賃保証会社は法人なので、当てはまりません。 金額の上限が無い保証は、家賃保証会社だけになりました。

保証人になってもらった人が亡くなると、そのあとの家賃は保証されません

いま兄弟や友人に保証人を引き受けてもらっている方には、この先の話が関わってきます。 頼んだ相手が自分と同じくらいの年なら、先に起きることだからです。

保証人が亡くなった日を境に、家賃の保証がどう分かれるかを時間の線で示した図。左側にある、それまでにたまっていた未払いは保証人の相続人が引き継ぐ。右側の、そのあとに発生する家賃は保証なしになる

2020年4月からの決まりで、保証人が亡くなった日から先の家賃には、保証が付きません。

それまでにたまっていた未払いがあれば、そちらは保証人の相続人が引き継ぎます。 亡くなったことで、過去の分まで消えるわけではありません。

賃貸借契約書に「保証人が亡くなったときは、新しい保証人を立てる」と書いてあれば、 新しい人を立てるよう求められます。 新しい人が立てられないときは、家賃保証会社に切り替えられます。保証料がかかります。

大家さんがこれに気づくのは、たいてい更新のときです。 更新の書類を出す段になって保証人の連絡が取れず、そこで初めて分かる、という順番です。 不動産会社に先に伝えておくと、あわてずに済みます。 更新のときに保証会社へ切り替える人が多いです。

よく聞かれること

緊急連絡先を頼んだ人に、あとから連絡は行きますか

本人と連絡が取れなくなったときだけです。家賃が遅れた、というだけでは行きません。連絡が入るのは、電話がつながらない日が続いたときや、入院して家賃の支払いが止まったときです。

どの保証会社にも断られたら、次はどこですか

居住支援法人に相談すると、扱っている不動産会社を教えてもらえます。家賃債務保証を自分でやっている法人もあるので、保証会社で通らなかったときの相談先になります。何を引き受けてもらえるかは居住支援法人とはに書いています。

身元保証会社と契約すれば、部屋は借りられますか

部屋を借りるだけなら、身元保証会社との契約は要りません。必要なのは家賃保証会社と、緊急連絡先を引き受ける相手です。

身元保証会社は、入院や介護施設で保証人を求められたときに、まとめて引き受ける会社です。預けるお金が数十万円から百万円を超えることがあります。賃貸のために急いで契約する話ではありません。入院のときに保証人を求められた場合は入院の保証人がいないのほうです。