居住支援法人とは。何を引き受けてもらえて、いくらかかるか
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家族に保証人を頼めなくても、部屋は借りられます。連帯保証人の欄は家賃保証会社が埋め、残る緊急連絡先の欄を引き受けてくれるのが居住支援法人です。 都道府県が指定した相談先です。市役所ではなく、NPOや不動産会社などの民間の法人です。 相談と部屋探しにお金はかかりません。ただし、引き受けてもらえることは法人ごとに違います。 都道府県が出している法人の名簿で、業務エリアに自分の市区町村が入っている法人だけに絞って、 電話で先に用件を言うのが、いちばん早く済みます。

居住支援法人は、都道府県が指定した、住まいの相談先です
市役所や地域包括支援センターで「居住支援法人に相談してみては」と言われることがあります。 市役所や区役所のことではありません。NPO法人、社会福祉法人、社会福祉協議会、不動産会社。 もともと別の仕事をしてきた民間の法人が、都道府県から指定を受けて、住まいの相談も受けています。
全国で1,167法人あります。都道府県の名簿を開くと、数十軒の名前と電話番号が並びます。 その中から、業務エリアに自分の市区町村が入っているものを拾います。
多いのはNPO法人や社会福祉法人で、福祉の側から住まいに入ってきたところが多数派です。 電話に出るのが宅地建物取引士とは限らず、社会福祉士のこともあります。
法律で決められた仕事は4つです。家賃の保証、住まいの相談と物件の情報、 入居したあとの見守りや生活の支援、そしてこの3つに付随する仕事 (内覧の付き添い、引っ越しの手伝いなど)。
緊急連絡先の引き受けは、この4つに名前がありません。 生活支援や、それに付随する仕事として、法人が自分の判断で引き受けています。 引き受けている法人と、引き受けていない法人があるのは、そのためです。
「公的機関に頼ることはできないか」
いま困っていなくても、次に引っ越すときに保証人を頼める人がいない、という相談が来ます。 建物が古くなって出ていってほしいと言われた、同じ建物で孤独死があって建て替えることになった、 介護施設の利用料と家賃が重なって年金では足りない、という相談も来ます。 いまの部屋を出る話が出た時点で電話してかまいません。まだ何も起きていなくても同じです。
引き受けてもらえることは、法人ごとに違います
居住支援法人という名前は1つですが、中身はそろっていません。緊急連絡先を引き受ける法人と、引き受けない法人があります。電話をかける前に、自分の用件がどちら側かを知っておくと、むだな電話をかけずに済みます。
相談を聞いてもらう、物件を探してもらう、内覧と契約に付き添ってもらう。 このあたりは8割から9割の法人が自分でやっています。どこへかけても受けてもらえます。 入居したあとの見守りや、安否の確認と駆けつけも、7割前後の法人が自分でやっています。
緊急連絡先と、亡くなったあとの手続きと、連帯保証人。 この3つを引き受けている法人は、半分から2割です。 名前だけを見ても分からないので、電話をかけて確かめることになります。

自分で引き受けていない法人が、何もしないわけではありません。 よそと組んで手当てしている法人があります。
だから、そこで電話を切らずに、「そちらで引き受けていないようでしたら、引き受けている法人をご存じないですか」 と続けて聞いてみてください。名前が出てくることがあります。地域の法人どうしは互いを知っています。
亡くなったあとの荷物の片づけだけは、事情が違います。 引き受けられる法人は、まだごく少数です。そこは別に頼むことになります。 借りるところまでを居住支援法人に頼んで、亡くなったあとのことは別に頼む。この分け方で足ります。
探すのは、緊急連絡先を引き受ける法人です
「家賃の保証」と「連帯保証人の引き受け」は、名前が似ていますが別のものです。 どちらを探せばいいのかで迷うところなので、先に分けておきます。
| 賃貸借契約書の欄 | 誰が埋めるか |
|---|---|
| 連帯保証人 | 家賃保証会社が埋めます。物件ごとに不動産会社が指定するので、こちらから探す必要はありません。大家さんが人の名前も求める物件では、居住支援法人が署名することがあります |
| 緊急連絡先 | 頼める人がいないと空欄のままになります。ここを居住支援法人が引き受けます |
家賃の保証は、居住支援法人でなくても埋まります。街の家賃保証会社で足ります。家賃保証会社は、自分で探すのではなく、物件ごとに不動産会社が指定します。申し込みはそのときで間に合うので、先に動く必要はありません。
連帯保証人まで出してほしいと言われる物件は、多くありません。 言われた物件に当たったときだけ、引き受けている法人を探すことになります。 電話をかけるときに、そこも引き受けているかを一緒に聞いておくと、二度手間になりません。
残るのが緊急連絡先の欄です。居住支援法人でないと埋まりにくいのは、ここです。 引き受けてもらうと、その法人は、大家さんや管理会社から連絡が入ったときに相談に応じる役になります。 一定の期間、本人と連絡が取れないときや、事件や事故が心配されるときに電話が行きます。 駆けつけたり、家財を片づけたりまでは含みません。 誰に頼めて、いくらかかるかの比べ方は賃貸の保証人代行にまとめています。
「もしやってくれる人がいるなら頼みたい」
相談はお金がかかりません。契約すると、そこからかかります
電話をかけて話を聞いてもらうところ、部屋を探してもらうところ、内覧に付いてきてもらうところまでは、 お金がかかりません。相談の窓口を置くことに国の補助が出ているためです。
お金がかかるのは、そこから先に契約するものです。
契約すると、お金がかかるもの
緊急連絡先の引き受け
法人の名前と電話番号を、賃貸借契約書の緊急連絡先の欄に書いてもらう契約です。2年で1万1千円という例があります。
見守り
電話や訪問で様子を見てもらう契約です。月に1,000円から2,500円ほどが多いところです。
両方を頼むと、年に2万円から4万円ほどです。 緊急連絡先だけ、見守りだけ、と1つずつ頼むこともできます。
これとは別に、家賃保証会社へ払うお金があります。 契約のときに家賃の半月から1か月分、そのあと1年ごとに1万円から2万円ほどです。 居住支援法人に頼むかどうかとは関係なく、物件ごとにかかります。
部屋を借りるときの敷金・礼金・仲介手数料も、別にかかります。 居住支援法人に相談したから安くなる、というものではありません。
自分の市区町村が入っている法人を、都道府県の名簿で探します
指定するのは都道府県なので、名簿も都道府県が出しています。 まずやることは1つです。住んでいる都道府県の名前と「居住支援法人」で検索して、名簿を開きます。 名簿の正式な名前には「住宅確保要配慮者」という言葉が入っています。 高齢者やひとり暮らしなど、部屋を借りにくい人のことです。
国が公開している名簿住宅確保要配慮者居住支援法人について都道府県ごとの名簿が置いてあります。英語版もあります。名簿で先に見るのは、法人名ではなく業務エリアです。 指定は都道府県の単位でも、実際に動く範囲は市区町村で決まっています。 業務エリアは市区町村の名前で書いてあります。 自分の市区町村が入っていない法人に電話をかけても、そこからは動けません。 1つも無ければ、名簿だけで決めなくて大丈夫です。名簿に出ていない動き方を知っている窓口があります。

名簿には業務内容の列もあって、法人が自分の言葉で書いています。 「住宅相談など賃貸住宅への円滑な入居に係る情報提供・相談」というように並んでいます。 ただし業務内容の欄に緊急連絡先と書いている法人は少ないので、そこは電話で確認してみてください。名簿で分かるのは、エリアと、受け入れる人と、大まかな中身までです。
高齢者を受け入れると書いている法人が、ほとんどです
名簿には、法人ごとに「どういう人を受け入れるか」の欄があります。 高齢者、障害のある方、子育て世帯、低額所得者、外国から来た方など、種類ごとに印が付いています。
高齢者の欄は、名簿に記入のある法人のほとんどに印が付いています。 その欄に、年齢の線は書かれていません。60歳でも65歳でも相談は受けてもらえますし、 家族に保証人を頼める人がいなくても同じです。 ただし、緊急連絡先を引き受けているかどうかは法人によります。
それでも分からなければ、市区町村の窓口が近道です
市区町村の住宅の担当課か、地域包括支援センターで聞けば、近くの法人の名前と電話番号を教えてもらえます。 その地域で実際に動いている法人を知っているので、名簿から選ぶより早いことがあります。
年齢で断られる理由と、断られない部屋の探し方そのものは高齢で賃貸を断られたらにまとめています。
電話の第一声は、この一言で足ります
「ひとり暮らしで、保証人を頼める家族がいません。部屋を探しています。緊急連絡先を引き受けてもらえますか」 ひとり暮らしであることも、保証人を頼める家族がいないことも、断る理由にはなりません。 引き受けていない法人なら、そこで分かります。
保証人のほうも頼める人がいなければ、続けるのはこの一言です。 「保証人も引き受けてもらえますか。だめなら、引き受けている法人をご存じないですか」
相談すると、こう進みます
話を聞かれる
いまどこに住んでいるか、いつまでに出るのか、収入はいくらか。社会福祉士などが聞きます。こちらから出向くか、来てもらうかを選べます。収入があっても使えます。高齢者は低額所得者とは別の枠で、収入は、家賃をいくらまでにするかを決めるために聞かれます。
何をどこまで頼むかを決める
部屋探しだけか、緊急連絡先や見守りまで頼むか。契約するものがあれば、ここで金額が出ます。
物件を探して、内覧と契約に付き添ってもらう
不動産会社まで一緒に行きます。大家さんへの説明も代わりにしてもらえます。
入居したあとも続く
見守りを契約していれば、訪問や電話が続きます。近隣や大家さんとのもめごとも、間に入ってもらえます。
部屋を何件か見て決める方が多いところです。それでも、ひとりで不動産会社をまわるのとは違います。 年齢とひとり暮らしを、こちらが自分で釈明しなくてよくなります。
当サイトの調査(頼れる家族がいない人の実態調査2026)でも、 備えを決めていない理由でいちばん多いのは「頼む相手がいない」でした。 居住支援法人が、その頼む相手になります。
部屋そのものの探し方はセーフティネット住宅にまとめています。
よく聞かれること
居住支援法人と、居住支援協議会は違うものですか
違います。相談を受けるのが居住支援法人で、市区町村や都道府県、不動産の団体、福祉の団体が集まって話し合う会議体が居住支援協議会です。協議会は個人の相談窓口ではありません。相談する先は居住支援法人のほうです。
生活保護を受けています。相談できますか
できます。生活保護を受けている方は、居住支援法人が受け入れる種類のひとつに入っています。担当のケースワーカーから居住支援法人を紹介されることもあります。家賃は住宅扶助から出るので、家賃の保証の審査でも収入の面はふつう問題になりません。
不動産会社に行くのと、どちらが先ですか
保証人と緊急連絡先の欄が埋められずにいるなら、居住支援法人が先です。不動産会社は物件を持っていますが、緊急連絡先の欄を埋める手立ては持っていません。すでに気に入った物件があるなら、その物件で支援を受けられるかを居住支援法人に聞く、という順でもかまいません。
入院や施設の保証人も頼めますか
居住支援法人が引き受けるのは、住まいに関わる範囲です。入院や介護施設で求められる保証人は別の話で、そちらを扱う会社が分かれています。頼める人がいないときにどうするかは入院の保証人がいないときにまとめています。





入院の保証人がいない
施設の身元引受人
死後事務委任契約
孤独死を防ぐ見守り
認知症と口座の凍結
老後の持ち家
遺言書の書き方
葬儀と、継ぐ人がいないお墓
保証人代行と身元保証会社