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遺品整理の費用。自分の荷物を誰がいくらで片づけるか

更新

亡くなったあと、部屋の荷物は相続人のものになります。子どもがいなくても、親や兄弟姉妹が相続人です。代金は、自分が残したお金から出ます。それで足りるなら、相続人が自分の財布から出すことにはなりません。 額は荷物の量で決まります。物が多い部屋は、少ない部屋の5倍になります。 いま自分でできるのは、荷物を減らすことと、頼む相手を決めておくことです。

市区町村がするのは、火葬と、相続人を探すところまでです

遺体を引き取る親族がいない場合、亡くなった場所の市区町村が火葬を行います。 市区町村は、戸籍をたどって相続人も探します。 ただし、部屋の荷物には手をつけません。そのまま残ります。

部屋に残った物は、相続人のものになります。 借りている部屋なら、大家さんの一存で運び出すことはできません。 持ち家なら、家そのものも相続人へ引き継がれます。

子どもがいない場合は、親、次に兄弟姉妹、兄弟姉妹が亡くなっていれば甥や姪が相続人になります。 何年も行き来がなくても、法律上はそうなります。 連絡を受けた相続人が、片づけをすることになります。

自分に相続人がいるかどうかは、親の戸籍(除籍)を取り寄せると分かります。 そこに兄弟姉妹の名前が載っています。自分と親の戸籍は、2024年3月から最寄りの市区町村の窓口でまとめて取れます。 兄弟姉妹が亡くなっていて甥や姪までたどりたいときは、兄弟姉妹の戸籍が要りますが、これは原則として自分では取れません。 遺言書を作るときなどに、司法書士や行政書士の事務所に頼むと取り寄せてもらえます。 取り寄せを頼むと、3万円から8万円ほどです。

借りている部屋で、相続人がいない、または見つからないときは、大家さんが家庭裁判所に申し立てます。 相続財産清算人という、亡くなった方の財産を整理する人を選んでもらう手続きです。 申し立てる人が、数十万円から100万円ほどを家庭裁判所に納めます。 額は、家庭裁判所が財産の大きさを見て決めます。 申し立てた大家さんが先に払い、清算が終わったあと、残った財産から返ってきます。 財産が足りなければ、その分は戻りません。

選ばれた相続財産清算人が、相続人がいないかどうかを確かめるお知らせを6か月以上出します。 そのあと、お金を請求する人を募る期間が2か月以上あります。 片づくまでに8か月以上かかります。

亡くなったあとの手続きを人に頼む契約そのものは死後事務委任契約のページにまとめています。

相続人に分ける前に、片づけの代金が引かれます

頼れる家族がいない人の実態調査2026 — 回答者の声

「何から手を付ければよいか、費用はどのくらいかかるのか」
東京都・60代・女性

亡くなったあとにかかるお金は、残した預金や現金から先に払われます。 葬儀や火葬の代金と同じ扱いで、片づけの代金もここから出ます。 残った分が相続人へ渡ります。相続人がいない場合は、最後は国に納められます。

ただし、亡くなった時点で口座は凍結されます。 財産から払われるというのは、最後に精算したときの話です。 実際に払う場面では、先に預けておいたお金から出すか、相続人か大家さんが立て替えておいて、あとで精算するかになります。

相続人がいる場合は、相続人が、銀行に相続の届出を出して引き出します。 1つの銀行につき150万円までは、ほかの相続人の同意がなくても、ひとりで引き出せます。 相続人がいない、または連絡がつかない場合は、口座からは出せません。 頼む相手に先にお金を預けておくか、亡くなったあとの精算で払う事務所を選ぶかたちになります。 あとで精算する場合、そのお金は、相続の手続きが終わってから、残された財産の中から支払われます。 相続の手続きが終わるまでは、その事務所が立て替える形です。

残したお金で足りない分は、相続人が自分の財布から出します。 相続人がいなければ、大家さんが払ったままになります。 家庭裁判所の手続きで返ってくるのは、残った財産の範囲までです。

ひとり暮らしの1Rや1Kで、3万円から15万円ほどです

1R・1K3万円から15万円ほど
2DK8万円から25万円ほど
1LDK・2LDK7万円から30万円ほど

額は、間取りよりも荷物の量で決まります。 広い部屋のほうが安く始まることもあるのは、そのためです。 1Rや1Kなら、作業する人が1人か2人、3時間ほどで終わります。 2DKになると3人から6人、2トントラックが1台か2台です。

同じ1Kでも、荷物の量で片づけの代金が3万円と15万円に分かれることを、部屋に置かれた箱の数で比べた図。箱が3つの部屋は3万円、箱が12個の部屋は15万円

額を決めるのは、運び出す量と、それにかかる人数と時間です。 1Rでも物が多ければ人手が増え、トラックの台数も増えます。 逆に、家具と家電だけで衣類や本が少なければ、3万円のほうで収まります。

亡くなってから見つかるまでに時間がかかった場合は、部屋の清掃の代金が上に足されます。 においや汚れが部屋に残ると、床や壁の張り替えが要ることがあるためです。 1Rや1Kで8万円から30万円ほど。片づけの代金とは別にかかります。 ここは片づけとは別の作業で、扱う会社も分かれます。 早く気づいてもらう方法は孤独死を防ぐ見守りにまとめています。

持ち家の場合は、家財を出したあとに家をどうするかが残ります。 家をどうするかは老後の持ち家にまとめています。

頼む相手を決めておくと、払う先が2つに分かれます

頼れる家族がいない人の実態調査2026 — 回答者の声

「お金で解決できるのであれば教えていただきたいです。」
神奈川県・60代・男性

亡くなったあとの手続きを人に頼んでおく契約を、死後事務委任といいます。 片づけもこの中に入れられます。

頼める相手は、司法書士や行政書士の事務所、身元保証を扱う会社、そして居住支援法人です。 居住支援法人は、住まいに困っている人を支えるために、都道府県が指定した法人です。 2025年10月から、居住支援法人の仕事に、亡くなったあとの片づけが加わりました。 ただし、部屋に残った荷物を片づける仕事の認可を別に受けている必要があるので、引き受けられる法人はまだ限られます。 司法書士や行政書士の事務所は、都道府県ごとの司法書士会・行政書士会が会員の名簿を公開しています。

どこに頼んでも、運び出すのは片づけの会社です。 頼む相手がやるのは、その会社を探して見積もりを取り、当日に立ち会い、代金を精算するところです。 だから、片づけの会社に払う代金と、頼む相手に払う報酬は別です。頼む相手によって変わるのは、報酬のほうです。

片づけを人に頼んだときに払う先が2つに分かれることを示した図。片づけの会社には運び出す代金として3万円から15万円、手配して立ち会う人(司法書士や行政書士の事務所)には報酬として3万5千円から5万5千円。2本を足すと6万5千円から20万5千円になる

頼む相手への報酬は、司法書士や行政書士の事務所で3万5千円から5万5千円ほどです。 これに、片づけの会社への3万円から15万円が加わります。 額を公開しているのは、司法書士や行政書士の事務所です。 身元保証を扱う会社と居住支援法人は、片づけの報酬を公開しているところが多くありません。 契約の前に、片づけの報酬がいくらかを確認してみてください。

借りている部屋の場合、片づけとは別に、部屋を返す手続きの報酬もかかります。 賃貸の解約と清算は、大家さんとの契約を終わらせて、敷金などを精算する手続きです。 部屋の明け渡しは、部屋を空にして鍵を返す手続きです。両方を頼めば、両方かかります。 司法書士や行政書士の事務所が出している額では、解約と清算が5万5千円ほど、明け渡しが5万円から5万5千円ほど。 電気・ガス・水道を止める手続きは、1つにつき1万5千円から2万円ほどで、3つとも止めると4万5千円から6万円ほどです。片づけとあわせると、15万円から17万円が上に加わります。

頼む項目を1つずつ選んで積み上げる事務所と、まとめていくらと決めている事務所があります。 1つずつ積み上げる場合は、頼む項目の数で総額が変わります。 まとめて決めている事務所では、葬儀や役所への届け出まで含めて100万円から200万円ほどが多く、片づけはその中に入っています。 片づけだけを頼むのか、部屋を返すところまで頼むのかを、先に決めておくことになります。

頼んでおかない場合、相続人が片づけの会社を探して立ち会います。 相続人がいなければ、相続財産清算人を選んでもらう、8か月以上かかる手続きになります。

契約のときにまとまったお金を預ける形が多く、預けるのは、頼んだ項目にかかる実費の見込み額です。 片づけだけなら、見積もりの額を預ける形になります。 預けたお金は、受け取った事務所や会社の口座に入った時点で、その事務所や会社の財産と区別されなくなります。 倒産すると全額は戻りません。信託会社に預ける形にしてある場合だけ、倒産の影響を受けません。 契約の前に、預けたお金をどこで管理するのかと、途中でやめたときに返す条件を確認してみてください。 預けたお金の扱いは保証人代行と身元保証会社のページに書いています。

先に預けない形もあります。用意できる額で頼み方が変わるところはお金がないときの死後事務にまとめています。

荷物を減らしておくと、代金は3万円のほうに寄ります

1Rの3万円から15万円という幅は、荷物の量で開いた幅です。 先に減らしておくと、3万円のほうに寄ります。 減るのは、運び出す量と、仕分けにかかる時間です。 明らかに使わないものを自分で処分しておくと、そのぶん作業する人数が減り、時間も短くなります。

自分で処分する場合、粗大ごみの手数料は市区町村ごとに違います。 東京都世田谷区なら、布団が400円、電子レンジが800円、シングルベッドが1,200円です。

何を残して何を処分するかを、自分で決められるのも違いです。 亡くなったあとの片づけでは、残された人が一つずつ迷いながら分けていきます。 捨ててよいのか分からないものは、残すほうを選ぶことになります。そのぶん量が増えます。

減らすといっても、全部を空にする話ではありません。 使わないまま置いてある家具や家電、着ていない衣類、読み終えた本。 こうしたものが量の大半を占めます。

いつから始めるかに決まりはありません。 引っ越しや入院をきっかけに始める方もいれば、年に一度、少しずつ進める方もいます。 体が動くうちのほうが、重いものを運べるぶん進みます。

片づけの会社は、見積書を見て決めます

部屋を見てもらったうえで、見積書を出してもらいます。 電話だけで額を言う会社は、あとから足してくることがあります。

見積書で見るところ

1

内訳が書いてあるか

何にいくらかが分かれているか。「一式」でまとめてあるものは、あとで追加になりやすいところです。

2

処分の代金が入っているか

運び出したあとの処分にも代金がかかります。ここが別扱いになっていることがあります。

3

代金と報酬が分かれて書いてあるか

死後事務委任で頼む場合です。分かれていないと、あとで実費を足されたときに、報酬に含まれていた分なのかを確かめようがありません。

同じ部屋でも、片づけの会社によって額が違います。 2社か3社から見積書を取ると、高すぎるかどうかが分かります。

片づけの会社を、自分で選んでおくこともできます。 生きているあいだに見積もりを取って、頼む先を決めて、その名前を死後事務委任の契約書に書いておく形です。 額の目安が先に分かります。実際の額は亡くなったあとに取り直しますが、探すところからやり直す必要はなくなります。

国民生活センターには、相続人が立ち会えなかったあいだに勝手に処分された、 明細がないまま高い額を請求された、説明のないまま有料の処分に回された、といった相談が来ています。

頼む相手を決めておくと、見積書の額と、実際に請求された額が合っているかを見る人がいます。 相続人に頼む場合も、遠方に住んでいて立ち会えないなら、そこを見る人がいない状態になります。

生前の片づけを引き受けている会社は珍しくありません。最初にするのは、片づけの会社から見積書をもらうことです。電話で「生前の整理を考えているので、部屋を見て見積書を出してほしい」と伝えてみてください。 見積もりに代金がかかるかどうかも、そのときに聞いてみてください。 額が分かれば、いくら残しておけばよいかも、預けるお金の額も決まります。

借りている部屋で、片づけと、部屋を返す手続きまで頼むと、あわせて22万円から38万円ほどです。

国民生活センター遺品整理サービスでの契約トラブル相談の実例と、契約の前に確かめることが載っています。

よく聞かれること

貯金がないと、部屋は片づけられないままですか

片づけそのものは行われます。借りている部屋なら、貯金がなくても、部屋がそのままになることはありません。大家さんが家庭裁判所に申し立てて、相続財産清算人を選んでもらう手続きに進みます。時間もお金もかかる手続きなので、頼む相手と額を決めておくと、そこに進まずに済みます。持ち家で相続人がいない場合は、お金を貸していた人や、生前に世話をしていた方が申し立てます。誰も申し立てなければ、家も荷物もそのまま残ります。用意できる額で頼み方が変わるところはお金がないときの死後事務にまとめています。

持ち家の場合も同じですか

荷物の片づけは同じです。ただし家そのものは、相続人がいなければ売ることも人に渡すこともできず、家庭裁判所の手続きが終わるまで空き家のまま置かれます。遺言書で渡す相手を決めておけば、待たずに引き渡せます。

会社に頼まず、親族に片づけてもらうことはできますか

できます。相続人が自分で運び出して処分する形です。ただし、粗大ごみとして出せる量には市区町村ごとに決まりがあり、1回に出せる点数が限られていることがあります。家具や家電が多い部屋だと、何度も往復が要ります。遠方に住んでいる相続人の場合は、そのたびの交通費と日数がかかります。片づけの会社に頼むのは、その手間を代わりに引き受けてもらうためです。

居住支援法人にも頼めると聞きました

頼めます。ただし、部屋に残った荷物を片づける仕事の認可を別に受けている法人だけです。引き受ける法人は居住支援法人の一覧にあります。