死後事務委任のトラブル。契約書で見る3行と、相談先
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よくあるのは、亡くなったことが引き受けた相手に伝わらず、頼んだことが行われないままになることです。見守りを一緒に契約しておくと、ここが切れません。 死後事務委任の契約書で見るのは3行。亡くなっても契約が終わらないこと、引き継ぐ人、預けたお金の置き場所です。

トラブルは、生きているあいだと、亡くなったあとで別のものが起きます
生きているあいだに起きるのは、払ったお金が返らないことです。 死後事務委任は、先にまとまったお金を払うことが多く、 やめたくなったときにいくら返るかでもめます。 解約と返金は身元保証会社とのトラブルにまとめています。
亡くなったあとに起きるのは、頼んだことが行われないことです。 葬儀も、納骨も、部屋の片づけも、知らせたい人への連絡も、行われないままになります。 契約の中身と頼み方そのものは死後事務委任契約にまとめています。
亡くなったことが伝わらないと、葬儀の手配も始まりません
死後事務委任は、亡くなったあとに始まる契約です。引き受けた相手が、亡くなったことを知らなければ、何も始まりません。
見守りを一緒に契約しておきます。 週に何度か会社から連絡が来て、返事がないと担当の人が家まで来ます。 月500円から2,500円ほどです。 死後事務委任を扱う会社は、見守りも扱っていることが多くあります。
見守りがないと、ひとり暮らしでは、亡くなったことに気づかれないまま日が経ちます。 においや汚れが部屋に残ると、片づけの代金に8万円から30万円ほどが上乗せされます。
司法書士や行政書士の事務所に死後事務委任だけを頼む場合は、見守りが付いていないことがあります。 まず決めるのは、見守りをどうするかです。 頼み先が分からないときは、市区町村の地域包括支援センターで相談できます。 見守りの頼み先と月々の額は孤独死を防ぐ見守りにまとめています。

相続人が「やめてくれ」と言ってきても、契約は終わりません
何年も行き来のない兄弟や、その子が、亡くなったあとに現れる場合があります。 「聞いていない」「やめてほしい」と言われることもあります。
死後事務委任の契約書に1行あれば、相続人には止められません。「甲が死亡した場合においても、本契約は終了しない」という1行です。甲は自分のことです。 死後事務委任は、本人が亡くなっても終わらない契約です。 この1行が書かれていないと、相続人との争いになります。
この契約書を公証役場で作っておくと、本人が確かに結んだ契約だと示せます。 原本が公証役場に残るので、手元の分をなくしても中身が分かります。 公証役場に払うのは9,000円ほどです。手元に置く正本を1通足した額で、手数料そのものは6,500円からです。
引き継ぐ人と、預けたお金の置き場所を、死後事務委任の契約書で見ます
見るのは3行です。 1行目は、亡くなっても契約が終わらないこと。 2行目は、引き受けた相手がいなくなったときに誰が引き継ぐか。 3行目は、預けたお金の置き場所です。
個人の司法書士や行政書士に頼むと、頼んだ相手が先に亡くなる場合があります。 身元保証の会社に頼むと担当が代わっても続きますが、その会社が倒産する場合もあります。 どちらの場合も、引き継ぐ人を決めていなければ、頼んだことは行われないままになります。
引き継ぐ人は、2行目に書いておけます。 個人の事務所なら、同じ事務所の別の人か、提携している事務所に引き継いでもらえます。 身元保証の会社なら、引き継ぎ先を決めているかどうかを聞いてみてください。 引き継ぎの定めを置いている例は、多くありません。 書かれていなければ、書き足してもらえます。
預けたお金が守られる置き場所は2つです。信託会社と、弁護士や司法書士です。 預かった側の口座に入っていると、戻らない場合があります。

預けたお金を、その団体で働く人の賞与や新しい拠点の開設費に使って、2016年に破綻した例があります。 返ってきた額は、預けたお金をどこに置いていたかで分かれました。 弁護士に預けていた人は全額、その団体に直接預けていた人は一部にとどまりました。
信託会社に預けている事務所や会社は少数です。 預けたお金を、頼む相手ではなく、弁護士や司法書士に預けることもできます。 契約のときに「預けるお金は弁護士に置きたい」と伝えてみてください。 弁護士や司法書士に預けると、その分の報酬が別にかかります。額は頼み先によって違います。
頼んだことが行われたかは、契約で決めた人が確かめます
「死亡後の手続きなどは誰がやってくれるのかわからずに不安。」
頼んだことが行われるのは、自分が亡くなったあとです。本人には確かめられません。 そのぶん、生きているあいだの点検と、亡くなったあとの報告先を、契約で決めておくことになります。
生きているあいだは、預かっているお金の報告を受けられます。 1年ごとに残高と使った分を知らせる、と書いてある契約書があります。 弁護士や司法書士が定期的に点検する仕組みを持つ会社もあります。 どちらもない場合は、確かめる人が誰も決まっていない状態です。
亡くなったあとの報告先も、同じ契約書に書いておけます。 知らせたい人を報告先にするか、弁護士や司法書士を報告先にするかです。 報告先が決まっていないと、頼んだとおりに行われたかを見る人がいません。
重要事項説明書という書面もあります。死後事務委任の契約書とは別の紙で、契約の前にもらえます。 預けたお金の管理方法まで書いてあるかを見ます。 書いていないところが多いので、書いていないこと自体は珍しくありません。
契約の前に確かめることは4つです。 誰がどうやって亡くなったことを知るのか。引き継ぐ人が書いてあるか。 預けたお金の置き場所。やめたときに返る条件です。
「確実に信頼できる人または組織に頼りたい」
困ったときは、188にかけられます
契約の中身や解約でもめたときは、消費生活センターが受けています。電話は188。局番なしの3桁で、近くのセンターにつながります。市区町村ごとに置かれている地域包括支援センターでも受けています。 高齢者の生活の相談をまとめて扱う窓口で、契約する前でも相談できます。
亡くなったあとに頼んだことが行われていないと気づけるのは、知らせたい人です。 契約したことと、引き受けた事務所の連絡先を、その方に伝えておきます。 連絡が来ないときは、その方から事務所に電話してもらえます。
電話しても葬儀の手配が始まらないときも、消費生活センターが受けます。 亡くなった方の契約について、家族や知人からも188にかけられます。
国のほうにも、この分野の契約で気をつける点をまとめた案内があります。
消費者庁いわゆる「高齢者等終身サポート事業」の利用に関する注意点契約の前に確かめることと、相談先が載っています。よく聞かれること
見守りと死後事務委任は、同じところに頼まないといけませんか
別々でもかまいません。ただし、見守りをしている側が、亡くなったことを死後事務委任の相手に知らせる手順を、両方の契約に書いておくことになります。同じところに頼めば、その手順は要りません。市区町村の緊急通報を使う場合も同じです。通報を受けた先から死後事務委任の相手へ連絡は行かないので、知らせる人を別に決めておきます。
遺言書も書いてあります。食い違ったらどうなりますか
遺言書で決められるのは、財産を誰に渡すかなど、法律で定められた事柄です。死後事務委任で決めるのは、葬儀や片づけをどうするかです。役目が分かれているので、ふつうは食い違いません。ただし、葬儀や片づけに使うお金と、遺言で渡す財産は同じ財布から出ます。どちらも作る場合は、同じ事務所で見てもらうと食い違いにくくなります。
契約したあとに、頼む中身を変えられますか
変えられます。中身を変える場合は、死後事務委任の契約書を作り直します。公証役場で作っていれば、9,000円ほどがもう一度かかります。生きているあいだは、いつでも契約をやめられると書いてある契約書もあります。ただし、やめたときにいくら返るかは契約書ごとに違います。返す条件が書いてあるかを見てみてください。




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