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弁護士に身元引受人を頼む費用。弁護士は引き受けないので、頼むのは別の契約です

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保証人を頼める人がいないというだけの理由で、必要な入院や入所を断ることはできません。 病院にも介護施設にも、国がそう通知しています。

弁護士は、身元引受人の欄にも、連帯保証人の欄にも署名しません。頼めるのは、この3つです。

  • ・お金の管理
  • ・判断が難しくなったあと、本人に代わって介護施設や病院と契約すること
  • ・亡くなったあとの手続き

それでも相談する値打ちがあるのは、 弁護士が財産を預かっていることを病院や介護施設に示せるからです。 欄が空いたままでも受け入れる病院や介護施設があります。

財産管理の契約を結ぶと、月22,000円から55,000円ほど。 いま入居の話が進んでいるなら財産管理だけでよく、その書面を作る代金は11万円です。 任意後見まで結ぶと、書面は合わせて22万円から33万円ほどになります。

弁護士が断るのは、本人の財産を守る側だからです

介護施設では身元引受人、病院では身元保証人や連帯保証人と呼ばれます。 求められる中身は重なりますが、同じではありません。 介護施設の欄が求めているのは、利用料が滞ったときの支払い、急変のときの連絡、 亡くなったあとの引き取りの3つです。 病院の欄はこれに加えて、本人が答えられないときの治療方針の相談と、 退院したあとの行き先の手配が入ります。中身は身元引受人とはにまとめています。

弁護士が引き受けるのは、払う側ではなく、本人の財産を守って使い道を決める仕事です。 同じ人が両方に立つと、支払いを求められたときにどちらの側に付くのかが決まりません。

判断が難しくなった人のために家庭裁判所が選ぶ成年後見人も、入居契約書の欄には名前を書けません。 預かったお金を減らさない立場だからです。

財産管理の契約を結んだ弁護士は、お金の出し入れを任されているので、利用料も入院費もそこから払えます。 介護施設や病院がいちばん心配しているのは、そこが滞ることです。

実際にそうなった例があります。弁護士自身が取材で語ったものです。 家庭裁判所が選んだ成年後見人として弁護士が付いていた男性が、手術のために入院しました。 病院から連帯保証人を頼まれた弁護士は、手術費用も入院費用も本人の財産から払えるので、 成年後見人である自分は病院に対して連帯保証人にはならない、と答えています。 この男性は、そのまま手術と入院ができています。 自分で頼んだ弁護士に財産管理を任せている場合も、同じように示せます。

断れないことの出どころは、2つに分かれています。 病院については、厚生労働省が全国の病院に出した通知で、 身元保証人がいないことだけを理由に入院を断るのは医師法に反する、と示されています。 介護施設については別の通知があって、身元保証人がいないことは 介護を断る正当な理由には当たらない、と書かれています。 身元引受人や連帯保証人も同じです。 都道府県に対して、それだけを理由に入所を拒むことや退所を求めることのないよう、 指導・監督するように求めたものです。

欄が埋まらないときに病院が用意している方法は身元引受人と連帯保証人は同じ人でよいかにまとめています。

部屋を借りるときの連帯保証人も、弁護士は引き受けません。理由は同じです。 こちらは家賃保証会社という別の仕組みがあって、 いまの賃貸借契約のおよそ6割で使われています。 高齢を理由に断られたときの借り方は賃貸の保証人がいないときで書いています。

かわりに結ぶのは、見守り・財産管理・任意後見・死後事務です

弁護士に頼むのは、身元引受人という1つの役ではなく、4つの契約です。 このうち、自分に要るものだけを結びます。

契約してもらうこといつから
見守り月に何度か連絡を取って、暮らしぶりを確かめる契約した日から
財産管理通帳を預かって、利用料や入院費を払う契約した日から
任意後見判断が難しくなったあと、本人に代わって契約する判断が難しくなってから
死後事務葬儀の手配、部屋の片づけ、市区町村への死亡の届け出亡くなったあと

介護施設に示せるのは、財産管理か任意後見のどちらかです。 見守りだけでは、お金の出し入れを任せていないので、支払いの担保になりません。

弁護士にお金の管理を任せる形は、2つあります。 判断ができるうちに、自分で選んだ弁護士と結んでおくのが任意後見です。 何も結ばないまま判断が難しくなったときは、家庭裁判所が成年後見人を選びます。 どちらも、本人に代わって契約やお金の管理をします。

任意後見は判断が難しくなるまで動き出さないので、 いま入居の話が進んでいる方は、先に財産管理の契約を結びます。 まだ入居の話が進んでいない方は、見守りと任意後見を先に結んでおきます。中身は任意後見とはにあります。

動き出すときは、家庭裁判所が任意後見監督人を選びます。 監督人は、弁護士の仕事ぶりを家庭裁判所に報告する人です。この監督人にも、毎月1万円から2万円ほど払います。弁護士への報酬とは別です。

死後事務は、葬儀の手配や部屋の片づけを頼む契約です。 これを結んでいないと、葬儀の手配や部屋の片づけを頼む相手がいません。何を頼めるかは死後事務委任契約とはにまとめています。

弁護士より先に、市区町村に相談できます

お金の管理だけなら、弁護士よりずっと安く頼めます。 市区町村に相談すると、社会福祉協議会につながります。 日常生活自立支援事業といって、通帳を預かって利用料や公共料金の支払いを代わりにしてもらえる仕組みです。 訪問1回あたり1,200円ほど、月2回で月2,400円ほどです。

申し込めるのは、契約の中身を自分で判断できるうちまでです。 先に任意後見を結んでおけば、その弁護士に引き継がれます。 何も結んでいなければ、市区町村や社会福祉協議会が家庭裁判所への申し立てを手伝って、 家庭裁判所が選んだ成年後見人に引き継がれます。

社会福祉協議会も、入居契約書の欄には署名しません。通帳を預かって支払いを代わりにするところまでなら、社会福祉協議会で足ります。判断が難しくなったあとの契約、亡くなったあとの手続き、断られたあとの交渉は、弁護士でないとできません。

入院のほうでは、市区町村が別の仕組みを置いていることがあります。 置いている市区町村はまだ多くありませんが、横須賀市のような例があります。 「わたしの終活登録」は平成30年度から、市民なら誰でも無料で登録できます。 緊急連絡先、かかりつけ医、延命についての希望などを市に登録しておくと、 倒れたときに病院から問い合わせがあれば、市が本人に代わって答えます。

横須賀市わたしの終活登録登録できる11の項目と、電話・電子申請・郵送での申し込みのしかたが載っています。

登録できるのは連絡先や希望までで、保証人の欄は空いたままです。 ただ、身元が分からない、本人の希望が分からないという理由で病院が困ることは無くなります。

自分の市区町村がどうかは、お住まいの市区町村の高齢者の相談窓口で聞いてみてください。聞くことは2つです。

置いていない市区町村でも、同じ窓口から社会福祉協議会につないでもらえます。

弁護士に払うのは、はじめに11万円、そのあと毎月22,000円から

頼れる家族がいない人の実態調査2026 — 回答者の声

「第三者に保証人などを依頼する場合の条件と費用について知りたい」
新潟県・60代・男性

下は、ある事務所が公開している表です。額は事務所ごとに違います。 契約ごとに、その書面を作る一時金と、そのあとの月額に分かれます。

契約書面を作る毎月
見守りなし5,500円
財産管理11万円22,000〜55,000円
任意後見11万〜22万円22,000〜55,000円
死後事務55,000円なし

任意後見の月額は、動き出してからかかります。 毎月の額は、預けている財産が多いほど上がります。 財産が少ないと受けない事務所もあります。 任意後見が動き出したあとは、これに任意後見監督人への報酬が毎月1万円から2万円足されます。

表の額のほかに、交通費と、公証役場に払う分がかかります。 任意後見の公正証書を作るときに、公証役場へ払うのが17,200円。財産管理だけならかかりません。 入院していて公証人に出向いてもらう場合は、19,500円が加わります。

4つ全部を結ぶと、書面を作る代金は合わせて28万円から44万円ほどになります。

弁護士と契約した1年目に出ていくお金。見守り5,500円と財産管理22,000円で結んだ場合、書面を作る代金が11万円、毎月27,500円の12か月分が33万円で、合計は44万円。2年目からは毎年33万円ずつ。

死後事務は、書面を作る代金とは別に、実際に動いてもらうときの報酬が55万円から110万円かかります。 死後事務の書面を公正証書にすると、作る代金は11万円になります。 葬儀そのものの代金や、部屋の片づけの実費は、この報酬にも入っていません。

相談は、1回目の来所60分を無料にしているところがあります。 2回目からは来所30分で5,500円、出向いてもらうと60分で22,000円と交通費です。 自分がいくら払うことになるかは、初回の相談で確かめてみてください。

同じ4つの契約は、司法書士や行政書士にも頼めます。月額の幅は弁護士と重なります。

入居契約書に署名するのは民間だけ。断られたあとに動くのは弁護士です

入居契約書の欄に名前が入るのは、民間の身元保証会社に頼んだときだけです。その会社の名前と連絡先が欄に入るので、介護施設の審査に進めます。 社会福祉協議会に頼んでも、この欄に名前は入りません。

弁護士に頼んだ場合は、支払いの見通しを介護施設に説明する側に回ります。 入居契約書の欄は空いたままなので、受け入れるかどうかは介護施設の判断になります。

お金のかかり方も逆です。 民間は、はじめの契約金が30万円から70万円。 契約金と会費を10年分足すと、70万円から200万円になります。 これとは別に、預けるお金が50万円から150万円。 弁護士は一時金が軽いかわりに、毎月かかり続けます。 同じ10年で並べると、差がはっきりします。

10年でみた合計。弁護士に見守りと財産管理を頼むと341万円で、死後事務を頼むならこれとは別に55万円から110万円。民間の身元保証会社は契約金と会費を10年分足して、安いところで70万円、高いところで200万円。弁護士の額は月22,000円で計算したもので、月55,000円なら10年で約740万円。

預けるお金の分は、使わなければ返ります。 亡くなったあとの葬儀や部屋の片づけの支払いに充てられて、余れば返る仕組みです。 会社ごとの扱いと、途中でやめたときの返金は身元保証サービスとはで並べています。

一度断られた方には、弁護士のほうが向いています。 保証人がいないことだけを理由に断ることはできない、という通知を示して、 病院や介護施設と話をするからです。 弁護士が入ると、断った介護施設が受け入れることもありますし、 受け入れる別の介護施設を一緒に探すこともあります。

弁護士の事務所のページを見ると、高齢者の支援を扱っているかどうかが分かります。 報酬を公開しているかどうかと、額を書面でもらえるかどうかが、決め手になります。

弁護士が続けられなくなったあとのことも、契約の書面で決めておきます。 確かめるのは、後任の弁護士が決まっているか、同じ事務所が引き継ぐのか、 別の事務所を紹介してもらえるのか、の3つです。

成年後見制度・市区町村への相談・民間の会社の3つで、それぞれいくらかかるかは身元引受人がいないときで並べています。

頼れる家族がいない人の実態調査2026 — 回答者の声

「信頼できる保証人の見つけ方が知りたいです。」
石川県・60代・女性

まだ入居や入院の話が始まっていない方は、 お住まいの市区町村の高齢者の相談窓口から始めてみてください。 日常生活自立支援事業が使えるかどうかが、そこで分かります。 すでに断られた方は、お住まいの都道府県の弁護士会に電話して、 高齢者の相談窓口があるかを聞いてみてください。

よく聞かれること

お金を多めに払えば、弁護士が保証人になってくれますか

金額の問題ではないので、報酬を上げても引き受けてもらえません。本人の財産を守る側の人が、同じ本人の借金を保証すると、支払いを求められたときにどちらの側に付くのかが決まりません。弁護士が受けられる仕事の外にある、という説明もされています。

先に民間の会社と契約していても、あとから弁護士に相談できますか

できます。契約の前でも後でも受けてもらえます。預けたお金の扱いと、途中でやめたときの返金は、その会社との契約の書面に書かれています。重要事項の説明書と、交わした書面を持って相談すると、そこを読んでもらえます。

弁護士に頼むと、入院のときも来てもらえますか

見守り契約を結んでいれば、来てもらえます。月に一度の電話と、何か月かに一度訪ねてもらうことが入っている契約なので、入院中の面会もその中に入ります。財産管理だけを頼んでいる場合、来るかどうかは契約するときに決めます。入院費は、財産管理を引き受けている弁護士が預かっている財産から払います。手術の同意書に署名するのは本人で、弁護士ではありません。本人が答えられないときは、医師や看護師などのチームが話し合って決めることになっています。