遺贈寄付とは。市区町村や団体に遺言で財産を渡す方法と、家を渡すときの書き方、先に聞くこと4つ
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遺贈寄付は、遺言で、団体や市区町村に財産を渡すことです。 遺言に「〇〇市に遺贈する」と1行書くだけです。団体でも市区町村でも、友人に渡すときと同じ書き方です。全部でなくても、一部でも、少額でもかまいません。 いま書いても、あとで何度でも書き直すことができ、新しい日付のものが有効です。 相続税を払うのは受け取った側です。 市区町村や公益法人(日本赤十字社・大学・認定NPO法人)が受け取った分にはかかりません。
家を渡すなら、遺言の書き方は「売って代金を渡す」です。 渡す団体を決めていない方は、子どもの支援、災害の支援、医療、動物、母校など、自分が続けてほしい活動から選ぶと決めやすくなります。 受け付けている団体は、サイトに「遺贈」の案内を出しています。
団体の正式な名前と所在地の書き方と文例は自筆証書遺言の書き方に書いています。 団体ではなく人に渡すことも考えている方には、遺言書の書き方に決め方があります。
遺贈寄付は、遺言に「〇〇に遺贈する」と1行書けば決まります。渡す先が団体でも市区町村でも書き方は同じです
「遺産が残るようであれば死後公共機関等に寄付したいのだが」
書くのは「〇〇市(所在地は市役所の住所)に遺贈する」「日本赤十字社(東京都港区芝大門1-1-3)に遺贈する」のように、正式な名前と所在地と、渡す財産です。 団体の承諾を先にもらう決まりはなく、生きているうちに知らせなくても書けます。 受け付けていない団体に書いても、その分は渡らず、相続人に、相続人がいなければ国に渡ります。
渡す額は自由です。 全財産でも、預金の一部でも、〇〇銀行の預金だけでも書けます。 額の下限を決めていない団体がほとんどで、10万円でも受け付けます。
残るようであれば渡したい、という方は、「全財産を〇〇に遺贈する」と書けば、葬儀と片づけの費用は財産から先に払われ、残りが団体に渡ります。 葬儀や片づけを生前に頼んでおく契約(死後事務委任契約)があれば、頼んだ先が手配して、その代金は財産から払われます。 契約が無ければ、遺言の中で自分が決めておいた遺言執行者(遺言のとおりに財産を渡す人)が手配して、財産から払います。
亡くなったあとは、その遺言執行者が、預金を解約して団体に振り込みます。 遺言執行者を書いていないと振り込む人がいないので、遺言執行者は必ず書いておくものです。
遺言は自分で書いても、公証役場で作っても使えます。 自分で書いて家に置いたままだと、見つけた人が家庭裁判所に持って行くまで誰にも知られず、見つからなければ団体に届きません。 法務局には、自分で書いた遺言を預けておく制度があります。 預けるときに知らせを届ける相手を届け出ておくと、亡くなったあとに団体や遺言執行者に法務局から知らせが届きます。 預け方は法務局の遺言書保管制度で説明しています。 公証役場で作った遺言は知らせが届かないので、遺言執行者に遺言があることを伝えておくことが要ります。
渡せる先は、市区町村、社会福祉協議会、日本赤十字社、大学、認定NPO法人。受け取るものと決まりが団体ごとに違います
「財産について、自治体等に遺贈できないか考えてる。」
遺言での寄付を受け付けているところなら、どこにでも渡せます。 住んでいる市区町村、社会福祉協議会(市区町村ごとにある、福祉の相談や見守りをしている団体)、日本赤十字社、母校の大学、認定NPO法人などです。 認定NPO法人は、税の優遇を受けられると認められたNPO法人です。 認定の無いNPO法人にも渡せますが、相続税がかかることがあります。
| 渡す先の例 | 受け取るもの・決まり |
|---|---|
| 市区町村 | 現金だけ。家や土地は受け取らない |
| 日本赤十字社 | 使い道を「〇〇支部の事業」と指定できる。遺言執行者は司法書士・弁護士か信託銀行を勧めている |
| 国境なき医師団 | 認定NPO法人。家や株は売って現金で。遺言執行者は引き受けない。使い道は指定できない |
市区町村に渡すときは、市区町村の役所の代表番号に「遺言で寄付をしたい」と言えば、担当の課につないでもらえます。 何を受け付けるかも、そこで分かります。 都道府県にも渡せます。 聞く先は都道府県庁の寄付の担当で、受け付けるものは市区町村と同じです。 国にも「国に遺贈する」と書けば、相続人がいても渡せますが、先に相談する窓口はありません。
家を渡すなら「売って代金を渡す」の書き方です。家のまま渡すと、団体が断るか、相続人に税がかかるかのどちらかになります
家や土地を団体に渡す書き方は2つあります。 「〇〇市の家を遺贈する」と家のまま渡す書き方と、「〇〇市の家を売って、代金を遺贈する」と売った代金を渡す書き方です。 団体や市区町村に渡すなら、後者です。 株や投資信託も家と同じで、書き方は「売って現金で渡す」です。

市区町村は現金だけで、家を受け取る団体でも、山林や農地、売るのに1年以上かかりそうな家は受け取りません。 自分の家が売るのに1年以上かかりそうかは、不動産会社に査定を頼めば、売れそうな値段と期間の目安が分かります。
家を受け取る団体に家のまま渡すと、売ったものとみなされ、買ったときより値上がりしていた分に譲渡所得税がかかります。 払うのは亡くなった本人の代わりの相続人で、兄弟姉妹がいる方は、財産を受け取らない兄弟姉妹が税だけ払うことになります。 相続人がいないときは受け取った団体が払うことになるので、家のままでは受け取らない団体がほとんどです。
「売って代金を渡す」と書いておけば、亡くなったあとに遺言執行者が家を売り、税金と手数料を代金から払い、残りを現金で団体に渡します。 兄弟姉妹にも団体にも、税の請求は行きません。 家を売るには、不動産会社に頼んだり名義を変えたりする仕事があります。 売る役の遺言執行者は、友人より司法書士か弁護士が向いています。 家を受け取る側の名義変更と税は遺贈とはで説明しています。
団体に先に聞くことは4つ。家を受け取るか、遺言執行者を引き受けるか、使い道を決められるか、相続税がかかるか
どれも団体ごとに答えが違い、答えで遺言の書き方が変わります。 聞き方は、その団体への電話かメールです。
1つ目は、家や土地を受け取るかです。受け取らない団体なら、家は「売って代金を渡す」の書き方しかありません。
2つ目は、遺言執行者を引き受けるかです。引き受ける団体は少なく、引き受けてくれる団体なら、その団体を遺言執行者と書くことができ、自分で探さなくて済みます。 引き受けない団体なら、遺言執行者は司法書士か弁護士か、頼める友人になります。 司法書士や弁護士に頼むときの報酬は、亡くなったあとに財産の中から払われ、財産の1〜3%ほどで最低30万円が目安です。 報酬は寄付する額からではなく財産全体から払われるので、財産が報酬より多ければ、10万円の寄付は10万円のまま届きます。 「全財産を」と書いたときは、葬儀と片づけの費用と、この報酬を引いた残りが団体に渡ります。 財産が少ないときは、頼める友人を遺言執行者にすれば報酬はかかりません。 誰に頼めるかは遺言執行者は何をする人かで説明しています。
3つ目は、使い道を決められるかです。「子どもの支援に使ってほしい」「〇〇支部の事業に」と決められる団体と、団体の活動全体に使う団体があります。 決められる団体なら、その一言を遺言に書き添えられます。 寄付したあとに使い道の報告が来るかも、一緒に聞きます。
4つ目は、相続税がかかるかです。「遺贈で受け取ると相続税がかかりますか」と聞けば、その場で答えてもらえます。 かかる団体なら、団体が税を払ったあとに残る額を考えて額を決めるか、渡す先を公益法人か市区町村に変えます。
一部だけでも、少額でもかまいません。残りの行き先と、団体がなくなったときの2つ目の渡し先を書いておきます
「預金のうち100万円を〇〇に遺贈する」のように、一部だけ渡す書き方ができます。 残りは相続人に渡り、相続人がいなければ国のものになります。 残りも誰かに渡したいなら、「残りは△△に遺贈する」と続けて書けます。 友人に一部、団体に残り、という分け方もできます。

相続人がいない方は、何も書かなければ財産は国に行き、使い道は選べません。 市区町村に遺言で渡せば、その市区町村の事業に使われ、使い道を決められるところもあります。 住んでいる市区町村でも、生まれ育った市区町村でも書けます。
団体は、自分が亡くなるまでに、解散したり名前が変わったりすることがあります。 名前が変わっただけなら、同じ団体なので効きます。 解散していると、その遺贈は効きません。 「〇〇がなくなっていたときは△△に遺贈する」と、2つ目の渡し先を書いておけば済みます。 2つ目は市区町村でも、別の団体でも、友人でもかまいません。
よく聞かれること
生きているうちに寄付するのと、何が違いますか
生きているうちの寄付は、自分の口座から自分で振り込み、使い道の報告も自分で受け取れます。遺贈寄付は、亡くなったあとに残った分を渡すので、生きているうちのお金を減らさずに済みます。両方する方もいます。
兄弟姉妹がいても、団体に全部渡せますか
渡せます。兄弟姉妹には取り戻す権利(遺留分)がありません。
親や配偶者がいるときは、全部渡せますか
親には財産の3分の1、配偶者には2分の1を取り戻す権利があります。全部を団体に渡すと書いても、その分は取り戻されることがあります。
複数の団体に分けて渡せますか
渡せます。「〇〇に100万円、△△に100万円」と額で分けても、「〇〇に2分の1、△△に2分の1」と割合で分けても書けます。分けた先のどれかが受け付けていなければ、その分は渡りません。






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