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日常生活自立支援事業とは。社会福祉協議会に頼める、お金の管理

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市区町村の社会福祉協議会が、生活費の引き出しと家賃や医療費の支払い、通帳や実印の預かりを引き受ける事業です。 頼めるのは、支払いや通帳の管理が自分では難しくなってきた段階から、 契約の中身が理解できなくなるまでのあいだです。訪問1回につき500円から2,500円ほどかかります。

判断が難しくなってきた段階で使えます。元気なうちは対象になりません

日常生活自立支援事業を頼めるのは、支払いや通帳の管理が自分では難しくなってきた方です。

元気なうちに、自分で頼む相手を決めて契約しておく任意後見とは、順番が逆です。 あちらは元気なうちに契約して、判断が難しくなってから動き出します。 こちらは、難しくなってきてから社会福祉協議会に申し込む順番です。 先に押さえておくことはできません。

逆に、進みすぎても使えません。この事業は社会福祉協議会と契約を結ぶので、 契約の中身が理解できなくなった方とは、契約できません。 そこからは、家庭裁判所が代わりの人を選ぶ成年後見に移ります。

認知症と診断されていることや、障害者手帳を持っていることは、条件になっていません。 診断を受けていない方も対象に入ります。 当てはまるかどうかは、社会福祉協議会の職員(専門員)が訪ねてきて本人と話し、 契約の中身を理解できるかどうかで見ます。

日常生活自立支援事業を頼める時期を、3つの制度の棒の長さで比べた図。上の帯は判断の進み具合で、まだ自分で払えている、支払いが難しくなってきた、契約が分からない、の3つに分かれる。任意後見の棒は左端の契約するところから右端の動き出すところまで通っていて、あいだは結んだまま待つ。日常生活自立支援事業の棒は真ん中だけ、成年後見の棒は右だけにある

社会福祉協議会は、全国どの市区町村にもあります。 住んでいる市区町村の名前と「社会福祉協議会」で調べれば、電話番号が出てきます。

いま支払いができている方が、この事業のためにしておくことはありません。 払い忘れが続く、督促の封筒が来る、通帳が見つからない。 そのどれかが起きた時点で電話すれば、手遅れにはなりません。 ただし、始まるまでの数か月は、支払いを自分で続けることになります。

それより前にできることがあるとすれば、任意後見です。元気なうちにしか結べません。 頼む相手は、親族でなくてもかまいません。 司法書士や弁護士、任意後見を引き受けているNPOに頼めます。 契約のときにかかるのは、自分で書いて公証役場に持ち込めば2万円ほど、 中身の相談から士業に頼むと7万円から17万円です。

払い切りではありません。動き出したあとは、頼んだ相手への報酬が月3万円から5万円、 それを見張る役への報酬が月1万円から3万円。 合わせて月4万円から8万円が、亡くなるまでかかります。結び方は任意後見制度とはにまとめています。

先に結んでおくと、支払いが難しくなってきた段階でこの事業を使い、 さらに進んだら任意後見が動き出す、と順番に並べられます。

頼れる家族がいない人の実態調査2026 — 回答者の声

「これから介護等が必要になったときどうしたらよいか。」
兵庫県・60代・男性

通帳を預けて、生活費の引き出しと支払いを手伝ってもらえます

頼めることは3つに分かれています。

頼めること中身
お金の出し入れ生活費の引き出し。家賃、電気・ガス・水道、医療費、介護保険の利用料、税金の支払い
通帳の預かり預金通帳、年金証書、保険証書、実印、銀行印、キャッシュカード
暮らしの手続き介護保険のサービスの申し込みと契約。住民票の届け出、届いた郵便物の確認。訪問販売でうっかり契約したときのクーリング・オフ

お金の出し入れは、 一緒に銀行へ行っておろします。 外に出るのがつらいときは、契約したあとに来る担当者(生活支援員)だけで銀行へ出向き、 おろしたお金を自宅まで届けます。 おろした額は、光熱費にいくら、ヘルパーの代金にいくら、と分けて引き出す社会福祉協議会もあります。 自分で通帳を見て、何にいくら出ていったかを確かめられるようにするためです。

カードやスマートフォンで払っているものがあれば、最初の相談のときに伝えてみてください。 口座から自動で引き落とされる分も、毎月いくら残しておくかを決めるときに数に入れます。 カード払いを続けるか、振込に切り替えるかも、そのときに相談できます。

契約までは専門員、始まってからは生活支援員が来ます

最初に来るのは専門員です。社会福祉協議会の職員で、社会福祉士や精神保健福祉士が就いています。 話を聞いて、何をどれくらいの頻度で手伝うかを一緒に決め、契約まで担当します。 決めた中身は、支援計画という書面になります。契約のときに渡されて、手元に残ります。 回数を増やしたい、この支払いも足したい、と思ったら、専門員に言えば作り直してもらえます。

契約したあとに定期的に来るのは、生活支援員です。地域に住んでいる方が引き受けています。 社会福祉協議会が研修をして登録した人で、誰が来るかは契約する前に専門員から知らされます。 月に2回が目安で、手伝うことが多いと月3回になります。

介護施設に入ったあとや、入院しているあいだも使えます。 専門員と生活支援員が施設や病院を訪ねて、利用料の支払いなどを手伝います。

ひとり暮らしだと、社会福祉協議会に話が行きません。自分から電話することになります

契約している方の9割は、ひとり暮らしです。この事業は、そういう方のために作られています。

ところが、社会福祉協議会に相談を入れているのは、本人ではありません。大阪府では、1年間に契約した473人のうち、本人が自分で電話をかけたのは13人でした。 残りは、ケアマネジャー、市役所、地域包括支援センターから話が行っています。

これは大阪府の1年分の記録です。 ただし、ひとり暮らしで、介護保険のサービスをまだ使っていない方に、 気づいてつなぐ人がいないことは、どこでも同じです。 介護保険のサービスを使っていれば、ケアマネジャーが毎月訪ねてきます。 請求書がたまっていることに気づいて、社会福祉協議会につなぎます。その役の人がいません。

頼れる家族がいない人の実態調査2026 — 回答者の声

「どこに相談に行けばよいかわからない」
神奈川県・60代・女性

つまり、自分で電話をかけることになります。 かける先は、お住まいの市区町村の社会福祉協議会です。 お住まいの役所の代表番号にかけて、社会福祉協議会につないでもらってもかまいません。 「お金の管理を手伝ってもらう事業について聞きたい」と言えば、担当の専門員に回ります。

地域包括支援センターに先に相談することもできます。 こちらは市区町村が置いている高齢者の相談窓口で、社会福祉協議会に話をつないでくれます。 介護保険のサービスをまだ使っていない方でも相談できます。 お金の管理そのものを引き受ける場所ではないので、つなぐところまでが役目です。

どちらに先にかけても、来るのは社会福祉協議会の専門員です。 いま何に困っているかを、そのまま話せば足ります。 いつから、何が払えていないのかが言えると、専門員はそれを支援計画に書き込めます。

電話してから始まるまで、早くて2か月、長いと半年を超えます

電話した日から契約までは、おおむね2か月から6か月です。

日常生活自立支援事業が、社会福祉協議会に電話してから始まるまでの期間を、2本の横棒の長さで比べた図。横軸は電話した日から6か月まで。どちらの棒も、はじめの訪問と計画づくりの長さは同じで、そのあとの審査会と契約の部分だけが伸びている。すぐ審査会が開かれるときは2か月、待つときは6か月で開始になる

長くなる理由は、途中に会議が入るからです。 専門員が訪ねてきて話を聞き、支援計画を作ったあと、 契約締結審査会という会議にかけます。 弁護士や医師、福祉の専門職などで作られていて、社会福祉協議会ごとに置かれています。 ここで契約してよいかどうかを決めます。

審査会が月に1回のところなら、計画ができた時点で次の開催まで待ちます。 年に数回しか開かないところもあり、そこが期間の差になります。

審査会で断られることは、ほとんどありません。 断るための会議ではなく、この事業でよいのか、成年後見のほうが合うのかを見る場だからです。

申し込みの順番を待っている人がいる地域では、契約まで6か月より長くかかることがあります。

順番は、困っている度合いで決まります。ほかに使える制度がなく、いますぐ支援がいる方から先に回ります。 ただし、電話をしないかぎり順番には入りません。 督促の封筒が来たときが、電話する時期です。

契約が始まるまでは、支払いは自分で続けることになります。社会福祉協議会が代わりに払うことはできません。 支払いが間に合わない事情があれば、最初の相談のときに伝えてみてください。 訪問と計画づくりを先に進めてもらえることがあります。

頼めるのは暮らしのお金まで。保証人と鍵は、別のところに頼みます

頼めるのは、日常の暮らしで動くお金と、その手続きまでです。 そこから外れるものが、はっきり決まっています。

頼めないことどこに頼むか
入院・入所の保証人入院や入所のときに保証人の代わりを引き受ける会社(身元保証会社)。病院や介護施設の相談員に、保証人なしで入れるかを聞くこともできます
家を売る不動産会社。判断が難しくなってからは成年後見人が家庭裁判所の許可を取って売ります
賃貸の解約判断ができるうちは自分で解約します。難しくなってからは成年後見人が家庭裁判所の許可を取ります。亡くなったあとの解約は死後事務委任の契約で頼みます
確定申告税理士。税務署の相談会場でも作れます
買い物と付き添い介護保険のヘルパー。介護保険の外の付き添いは、有料の家事代行になります

いちばん間違えられるのが、入院・入所の保証人です。 通帳を預けているのだから入院のときの保証人にもなってくれるだろう、と思われがちですが、なりません。病院や介護施設が求める保証人は、この事業の外です。引き受け手がいないときの進み方は入院の保証人がいないにまとめています。

鍵と遺言書は、預かってもらえません

預けたものは、社会福祉協議会の金庫か、社会福祉協議会が借りている貸金庫で保管されます。

預かってもらえないのは、自宅の鍵、貸金庫の鍵、遺言書、現金、宝石や貴金属、書画や骨董品です。 値動きの大きい有価証券も外れます。 おろしたお金はその都度渡されます。社会福祉協議会が現金のまま預かることはありません。

遺言書は、自分で書いたものなら法務局に預ける制度があります。1件3,900円で、亡くなるまで預かってくれます。 公証役場で作った遺言書は、原本が公証役場に残ります。書き方は遺言書の書き方にあります。

自宅の鍵は、預け先が別に要ります。 倒れて運ばれたときに部屋へ入ってもらうためなら、見守りのサービスの中には、合鍵を預かるところがあります。 探し方は孤独死を防ぐ見守りにあります。 亡くなったあとに部屋へ入る人を決めておきたいなら、死後事務委任の契約の中で鍵の預け先も決めます。

回数で決める市は1回1,200円ほど。所得で決める市と、月ぎめの市もあります

相談と、支援計画を作るところまでは無料です。かかるのは、生活支援員が来てからです。

回数で決めている市は、1回500円(30分)から1,870円です。 所得で決めている市は、収入が多い方でいちばん高く、2,500円になります。 これに生活支援員の交通費が加わります。決め方は市区町村ごとに違っていて、大きく3通りです。

決め方例
回数で札幌市は1時間1,200円と交通費。来てもらった回数だけかかります
所得で横浜市は1回につき、市民税がかからない方は1,250円、所得250万円未満は1,560円、250万円以上は1,875円、700万円以上は2,500円
月ぎめで川崎市は月2,500円。何回来ても同じ額です

月に2回来てもらうと、回数制の市で月2,400円ほどです。 通帳や証書を預かってもらう分は別で、年3,000円ほど。 預かる財産が1,000万円を超えると年6,000円にする市もあります。

生活保護を受けている場合、訪問の分は無料です。国と都道府県・指定都市が代わりに払います。 預かりの分は、生活保護でも有料のままの市があります。 住民税がかからない世帯を安くしている市区町村もあります。 いくらになるかは、社会福祉協議会に電話したときに聞いてみてください。

判断が難しくなってから家庭裁判所が人を選ぶ成年後見だと、選ばれた人への報酬が月2万円ほどかかります。 こちらは亡くなるまで続きます。

契約の中身が分からなくなると終わります。次は成年後見です

この契約が終わるのは、2つの場合です。ひとつは亡くなったとき。 もうひとつは、契約の中身を理解できなくなったときです。

大阪府で1年間に終わった契約でいちばん多い理由は、亡くなったことでした。 次に多いのが、成年後見に移ったことです。

移るきっかけは、判断がさらに難しくなったときがいちばん多く、 次いで、介護施設に入るときや入院するときです。 入居一時金やまとまった支払いが動くので、日常の暮らしのお金という範囲を超えます。

家を売る、まとまった額の定期預金を解約する、遺産分けの話し合いに入る ── こういう話が出てきた時点でも、この事業の範囲を超えるので成年後見に移ります。

移るときは、家庭裁判所への申し立てが要ります。 申し立てられるのは4者です。本人、配偶者、四親等以内の親族、それに市区町村長。 四親等以内の親族には、兄弟姉妹、おい・めい、おじ・おば、いとこまで入ります。 親族がいない方の場合は、 社会福祉協議会や地域包括支援センターから市区町村へ話が上がり、市区町村長が申し立てます。 全国では、申し立てる人の4分の1が市区町村長です。

誰が選ばれるかは、家庭裁判所が決めます。自分では選べません。 自分で選んでおきたい場合は、元気なうちに任意後見を結びます。 口座が使えなくなるまでの流れは認知症と口座の凍結にあります。

よく聞かれること

生活支援員は、どんな人が来るのですか

地域に住んでいる方が引き受けています。社会福祉協議会が研修をして登録した人で、元は学校の先生、配食のボランティアをしていた方などが就いています。誰が来るかは、契約する前に専門員から知らされます。合わないと感じたときは、専門員に言えば替えてもらえます。

預けたお金を、勝手に使われることはありませんか

引き出す額と使いみちは、契約のときに作る支援計画に書いてあります。おろした分は毎回記録に残し、通帳に記帳して本人が確かめます。運営を外から見る役として、都道府県の社会福祉協議会に運営適正化委員会という組織が置かれていて、苦情の申し出を受け付けています。連絡先は契約のときに渡される書面に書いてあります。

途中でやめられますか

やめられます。理由も要りません。預けていた通帳と印鑑は返してもらいます。しばらく休んで、また頼むこともできます。

自分で字が書けなくなったら、続けられますか

続けられます。この事業を使っていることを、社会福祉協議会が銀行に説明します。ただし、自筆ができない方への対応は銀行によって違います。取引のある銀行の窓口で、代理の届け出ができるかを先に確かめておくと、あとで詰まりません。

介護保険のサービスを使っていないと、頼めませんか

使っていなくても頼めます。お金の出し入れと、暮らしの手続きのどちらか片方でも契約できます。ただし、金銭管理だけの申し込みを受け付けていない市区町村もあるので、電話のときに聞いてみてください。

遠くに住んでいる親族に、契約を知らせますか

本人の同意なしに知らせることはありません。契約は、本人と社会福祉協議会のあいだで結ぶものです。親族に連絡してほしい場合は、支援計画にその旨を書き入れることもできます。亡くなったあとの連絡や手続きは範囲の外です。そちらは死後事務委任契約のほうで頼めます。